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.政治  投稿日:2019/11/20

「皇位継承問題、国民的議論を」日本の尊厳と国益を護る会代表幹事青山繁晴参議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠緒モーニングトーク」2019年11月16日放送

Japan In-depth 編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・男系男子を継続する最大の理由は「父系を辿れば神武天皇まで遡ることができる」こと。

・皇位継承問題についての知識を国民に周知させることが大事。

・提言はあくまで選択肢。最終的な判断は国民が行う。

 

今回は参議院議員で自民党有志による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」代表幹事の青山繁晴氏をゲストに招いた。「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は10月23日に「皇位継承の安定への提言」を発表した。提言の狙いと皇位継承問題に対する青山氏の見解を政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

青山氏らが発表した提言には男系男子の皇位継承が挙げられている。細川氏はまず、男系男子を継続する最も重要な理由について尋ねた。

青山氏は「男系ではなく、父系と呼ぶべきだと提言にも盛り込んでいる」と前置きしたうえで、「父系を辿れば神武天皇まで遡ることができる」のに対して「母系だと辿ることが物理的にできない 」ことが唯一の理由だと述べた。

日本の天皇については、神話である仁徳天皇の「民の竈(かまど)」の故事に代表されるように「(天皇の)私利私欲ではなく、人のために祈る祀(まつ)り主」であるという認識を青山氏は示した。そして、「祀り主というお家がその仕事を続けていくならば続けやすいけれども、お家が変わってしまうと、当然お仕事も変わってしまう。祀り主という日本にしかない、人のために祈るという存在を守りたい。」と述べた。

また、青山氏は今回の提言について、「世界にはない日本の古き良きものをこれからも先人と一緒に、みんなと一緒に守る」という生き方を1つの選択肢として国民に示すことに主眼があるという考えを明らかにした。

近年の世論調査によって、国民の8割近くが女性天皇に賛成し、6割以上が女系天皇に賛成していることが明らかになっている。しかし、女系天皇の意味を理解していないまま回答している国民も多いのが現実だ。細川氏は女性天皇と女系天皇の違いが理解できなけでば、今回の問題の本質を見いだせないと指摘した上で、こうした事実をどのように国民に周知させるのか、具体的な方法を聞いた。

青山氏は、自民党が党として皇位継承問題について問題提起をしないことの解消を図り、「『日本の国益と尊厳を護る会』は自由民主党がタブーにしてきたことを、 タブーを破って国民にまず定義していく」ことが目的だとした。ここでの議論を踏まえて、まずは自民党として一つの案を提示することを目指していく。そのうえで細川氏は、もし他党から異なる案が提示されれば、それと合わせて議論をし、最終的な決断を国民が行う流れになるだろうと指摘した。そして、「それまでの間に国民は案をきちんと見比べて理解をする努力を日本国民としてしていくことが必要」であり、この過程の最初のステップとして自民党の中での案を提言したと述べた。

青山氏は60年安保や70年安保に触れながら、「不都合なことはさらけ出して選択肢を出して、選択してもらうのが国会議員や閣僚、総理の務めなのに、現在も安倍総理においてすらそれをしていない。そのまま決められても困るし、そのままの状態で世論調査(の結果)が8割だからというのも両方おかしい。」と述べた。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

細川氏は、自らの立場は自民党の提言と異なるとしながらも、この提言は皇位継承問題を考えるにあたって「非常に勉強になった」と評価した。皇位継承問題は「自分の国のことだから自分たちにしか決められない」と述べ、今後のさらなる議論の発展に期待感を示した。

青山氏は「(自民党は)幸い、良くも悪くも融通無碍なので議論が始まったと受け止めている人は多い」と述べた。さらに、ネット上にも掲載されている「日本の国益と尊厳を護る会」の提言書には、具体的な提言の前に「基本認識の整理」というQ&A形式の項目で女系天皇と女性天皇の違いなどについて触れられていることを紹介し、「(提言を)自由民主党にとってのたたき台ではなくて国民的な議論のたたき台」とする狙いがあるとした。

そのうえで議員の役割はあくまで国民の決断のための選択肢を提示することであると強調し、「国民のために選択肢をお見せするのか、自分達の好む方向に引っ張ろうとするのか。またそれ(60年安保・70年安保)を繰り返してはいけない」という考えを示した。

細川氏は最後に、「国民が多少時間がかかってもきちんと理解をすることが大事。急いで考えが納得できないのに決めることではない」と述べたうえで、「是非多くの方にネットを通じてこの提言全文を読んでいただきたい」と呼びかけた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年11月16日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:ⒸJapan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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