使い勝手悪し地域共通クーポン
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・電子クーポン、国交省サイトで使えると表示されても使えない店舗あり。
・電子クーポンの偽物を警戒する店も。
・旅行者は旅に出る前に、クーポンを使える店を調べておくこと。
散々書いているが、またまた「Go To トラベル」キャンペーンの地域共通クーポンの話。旅行会社などから旅行者に配布されるもので、旅行代金総額の15%相当額だ。
地域共通クーポンの使い勝手の悪さについては既に別記事に書いた。「紙クーポン」と「電子クーポン」の2種類があり、電子クーポンが使えるところが少ないことも指摘した。つまり、紙クーポンしか使えないところが多いのだ。これは10月後半の今でも変わらない。
図)地域共通クーポン「紙クーポン」見本 出典)Go Toトラベル事務局
そもそも何処で地域共通クーポンが使えるのか、調べないと分からない。自分が宿泊した宿の中のレストランや土産物コーナーで使えればベストだが、そうとは限らない。となると、宿の近所なり、最寄りの駅などで使える場所はないか探すことになる。
目的地に着いてからでは遅い。旅に出る前にリサーチしておくことをお薦めする。地域共通クーポンが使える場所を検索するには、国土交通省の取扱店舗検索マップに行けば良い。
図)取扱店舗検索マップ 出典)国交省 © 2020 Go To トラベル事務局.
左上の検索ボックスに地名・駅名を入れ、検索したい場所のカテゴリー=グルメ、小売り(お土産等)、コンビニ/スーパー、観光施設等、遊興関連、スポーツ、交通機関、その他、にチェックを入れる。すると、カテゴリー別のアイコンが色分けされて表示されるというわけだ。
その店や施設のアイコンをクリックすると、紙クーポンしか使えないのか、電子クーポンも使えるのか、表示される。
ところが、だ。取扱店舗検索マップで、電子クーポンが使えると表示されているにもかかわらず、その店舗に行ったら「申請中で使えない」と言われるケースが出ている。私が聞いたのは、都内の大手コンビニチェーンのケースだったが、他のカテゴリーの店でも起きている可能性がある。
またとある店で電子クーポンを使うために、店に置いてあるQRコードを読み取ろうとしたとき、店員に「画面を見せてくれ」と言われたという。クーポン利用済み画面は店側に見せるルールだが、利用前に画面表示を求められたのは初めてだった。利用済み画面には、利用取扱店舗名、利用日時、利用クーポン金額が記載されている。
図)電子クーポン利用済画面 出典)GoTo トラベル事務局
何故だろうと怪訝に思ったら、最近電子クーポンの偽物が出回っているから、というのだ。仮に偽の電子クーポンだったとして、画面チェックで詐欺行為を完全に防げるかどうかは分からないが、抑止効果はあるかもしれない。
実際にそうした詐欺行為が摘発されたという話はまだ聞いていないが、今後出てきてもおかしくない。
図)店側のQRコードをスマホ画面カメラで読み取るイメージ
出典)GoToトラベル事務局
いずれにしても、せっかく手に入れた地域共通クーポン、使えるのは宿をチェックアウトした日の23時59分までだ。繰り返しになるが、せっかくのクーポンをムダにしないためにも、旅に出る前に良くリサーチしたいものだ。
トップ写真)京都清水寺 出典)Pikist
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。