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.国際  投稿日:2020/11/21

バイデン氏、何故政権移行急ぐ


澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)

「澁谷司の東アジアリサーチ」

【まとめ】

・大統領選混迷は“当確”バイデン氏側が、不正疑惑を払拭できないから。

・「ベンフォードの法則」はバイデン氏側の不正を指摘する。

・不正が白日の下とならぬよう政権移行を急いでいるのではないか。

今年(2020年)の米大統領選挙結果は、混迷の度を深めている。その理由は、選挙に“敗北”したトランプ大統領が、未練がましくその地位に固執しているからではない。“当確”のバイデン前副大統領側が、選挙の不正疑惑が払拭できないからである。

例えば、バイデン候補自身は“大勝”したにもかかわらず、なぜか上下院選挙では、民主党候補が振るわなかった。一般的に、大統領選挙で勝利した候補の党が、上下院選挙でも健闘する。

11月19日現在、激戦州の一部では、トランプ大統領側が一部の州で選挙不正の訴えを起こしている。だから、未だ米大統領選挙は終わっていない。

それにもかかわらず、なぜバイデン陣営は政権移譲を急かすのか。無論、政権移行がスムーズに行くことに越したことはない。だが、果たして、それだけなのだろうか。

経営コンサルタント、鈴木貴博氏の「米大統領選でやはり『不正』があったかもしれない、ちょっとした状況証拠」(ダイヤモンド・オンライン)というコラムが興味深い。

鈴木氏は「ベンフォードの法則」(1938年 、米物理学者、フランク・ベンフォードが提唱)を使って、米大統領選挙の結果が不自然だと鋭く指摘した。

「ベンフォードの法則」(以下、「法則」)と何か。ベンフォードは、自然界で集められた数(各国の面積等)は、先頭の数字が1~3である確率が全体の6割を超えると喝破した。

普通、(ランダムではない)集合数字で先頭に来る1〜9の確率は、一様に11.1%だと考えるだろう。ところが、実際には、先頭に1が来る確率が30.1%(理論値。以下、同様)、2が17.6%、3が12.5%となる。

そして、4(9.7%)、5(7.9%)、6(6.7%)、7(5.8%)、8(5.1%)と数が大きくなるに従って、その出現率は逆に小さくなる。9に至っては4.6%で、1の15.3%にとどまる。ベンフォードは、分子量、人口など、2万例以上のサンプルを集め、「法則」を発見したという。

▲図 ベンフォードの法則に基づく集合数字で先頭に来る1〜9の確率 (著者提供)

この「法則」は、会社の決算、選挙の投票数等にも合致する。「法則」に適合しない場合、不正が行われた公算が大きい。

実は、会計監査には「法則」を用いたソフトが存在する。そのソフトを使用すれば、会社が決算で数字を改竄した場合、不正を暴く事ができる(ただし、たまに“偽陽性”が生じるケースもある)。

11月15日付『新唐人』の「統計学分析はバイデン票の驚くべき秘密を暴く」では、やはり「法則」を用いて、バイデン側の不正を指摘している。

記事によれば、激戦州のウィスコンシン州ミルウォーキー、ペンシルベニア州アレゲニー、イリノイ州シカゴでは、バイデン票に統計学的不整合が起きている。他方、トランプ票には、不整合が見られないという。

▲図 各地のバイデン氏票とベンフォードの法則との不整合 (著者提供)

ところで、今度の大統領選挙では、ドミニオン社製投票集計マシンが、全米28州で使用された。ドミニオン社はカナダ発の投票機器製造および集計ソフトウェア開発企業である。

だが、ドミニオン社のソフトはスマートマティック製を使用している。同社のソフトウェアは、ベネズエラの指導者が選挙の際、投票集計を操作し、権力を保持するために開発されたという。なお、スマートマティック社会長ピーター・ネフェンジャーは、バイデン政権移行チームのメンバーとなっている。

トランプ大統領の顧問弁護士、ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長によれば、2020年1月、ドミニオン社のジョン・プロスCEO(ナンシー・ペロシ米下院議長の元側近)は米議会の公聴会で、同社が製造する投票機は、中国製のLED液晶ディスプレイ、チップコンデンサ、可変抵抗器などの部品を使っていると証言したという。このプロス証言で、ドミニオン社が中国と繋がっているのが明らかになった。

▲写真 ルドルフ・ジュリアーニ元NY市長 出典:flickr; Gage Skidmore

おそらく、中国共産党は、バイデン当選を渇望しているのではないか。なぜなら、習近平政権は、対中強硬策を取るトランプ大統領を最大の脅威と捉えているはずである。そのため、北京が米民主党と組んで、トランプ降ろしを画策したとしても不思議ではないだろう。

周知の如く、バイデン候補には“痴呆症”の疑念が生じている。選挙直前(10月24日)、同候補が「私達はアメリカ政治史上最も広範囲で包括的な“不正投票組織”を作り上げた」と述べた。実に、意味深長な発言である。

だが、この内容が今、はっきりした。たぶん“痴呆症”のためか、バイデン候補が思わず“真実”を暴露したのではないだろうか。

ひょっとして、トランプ大統領が再選されれば、民主党も中国も不正選挙を暴かれて窮地に陥る。そこで、バイデン候補としては、不正が白日の下に晒されないうちに政権移譲を完了しなければならない。さもないと、大統領選挙での大規模な不正行為という前代未聞の“犯罪”が明らかになってしまう。だからこそ、バイデン候補は、盛んにトランプ大統領に政権移譲を迫っているのではないか。

トップ写真:ジョー・バイデン前副大統領 出典:flickr; Gage Skidmore




この記事を書いた人
澁谷司アジア太平洋交流学会会長

1953年東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。元拓殖大学海外事情研究所教授。アジア太平洋交流学会会長。

澁谷司

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