「ワクチン高齢者接種4月中目指す」古川俊治参議院議員
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2021年2月27日放送
Japan In-depth編集部(油井彩姫)
【まとめ】
・ワクチン接種状況を管理するデータベース準備中。
・4月中には高齢者にワクチンを打つことを考えている。
・今年中はマスクは外せないだろうが、経済活動はできるようになる。
今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」のゲストは、参議院議員で、医師、弁護士、自民党新型コロナウイルスに関するワクチン対策プロジェクトチーム事務局長、そして慶応大学医学部教授でもある、古川俊治氏。新型コロナウイルスのワクチンについて、政治ジャーナリストの細川珠生氏が聞いた。
医療従事者への接種が始まり、第二便のワクチンも到着し、少しずつ動き出している。まず、我々一般国民が接種できるのはいつなのか、聞いた。
古川氏は、「ワクチンがなかなか急いで作れない」理由として、「EUが優先といっており、製造が追いついていない」と述べ、ワクチンの製造の遅れを指摘した。
そのうえで、当初4月から65歳以上の高齢者にワクチン接種をするとしてきたが、生産ラインが追いつかず、4月中にやれるかどうかは不透明だとした。
「我々としては、一刻も早く65歳以上の方々に、できるだけ4月中から接種していくよう準備をしている」と述べた。
次に、細川氏は、「日本で接種をするにあたって一番注意をしなければいけないものは何か」聞いた。
古川氏は、「日本の医療の歴史でこれだけ多くの人に短期間にワクチンを接種するというのは初めて」だとし、「集団接種、あるいは医療機関での個別接種、職場での接種」などで、「同じワクチンを2回打つのが原則なので、誰がどのワクチンを打ったか(管理できる)システムがあるかどうかが課題だ」とした。
また、ワクチン接種するマンパワー、すなわち、「医療従事者、看護師の確保が基本的な問題」だとした。
また、2回の内1回しか打てなかった場合はどうするのかとか、接種の日に急用で来れなかった、などの場合をどうするのか、という問題も気になると述べた。
現在は、実験的な環境でシミュレーションをやっているが、実際の状況でうまく接種できるのかが今後の課題だとの考えを示した。
細川氏は、「自分の住んでるところ、職場、個別接種で医療機関で打つケースなど、打つ場所はどういう仕分けになるのか」と聞いた。
古川氏は、「東京と離島など、それぞれの場所に応じたやり方を優先させる。医療機関がやると、副反応が出たときに、医療器具があったり、慣れたスタッフとのコミュニケーションができたりするので、安全性の面からもそこでやるのが望ましいし、医療従事者もその人の過去の病気を確認できる。病気のある人は医療機関がいい。一般接種は医療機関から医者が出ていくのも大変だから、そこは医療機関と自治体に話し合って考えていただく」とした。
細川氏が、「東京のように人口が多いところは、集団接種の方が効率がいいのか」と聞くと、古川氏は、「練馬区などは、医療機関が幅広く受け入れてやることになっている」と例を挙げ、「医療機関と自治体と医師会で手分けしてやっていくのが基本」と述べた。細川氏が、「住んでいるところによって体制が変わるのか」と確認すると、「スムーズに接種が終わることを優先してもらいたい。こうありなさいと国は決めない」とし、ワクチン接種の実施方法は自治体に任せる考えを示した。
次に、細川氏は、「職場は、住んでいるところと異なるがどうやって管理していくのか」聞いた。
古川氏は、「働いている人に仕事を休んで地元で受けなさいと(言うこと)はできない。職場だったら仕事を続けながらできる。それが基本」と述べた。
▲写真 ⒸJapan In-depth編集部
全国民のワクチン接種状況を把握するのは大変な作業だと思われるが、これについて古川氏は、予診票に自宅に送られたシールを貼り、そのシールのバーコードを読みこむことで、国民のデータベースを作るという仕組みを説明した。それをマイナンバーと連動させるという。
また古川氏は、「市町村に予防接種台帳があり、後追いで記録することができる。当座は接種を優先してやり、システムはいつでもできるようにやっていく」と述べた。
細川氏は、「私はプライオリティ6番で一番最後。若くないので、かかったらそれなりに症状が出そうだが、経済活動を回さないといけない年代でもあり、早く打ちたい。基礎疾患もないし、後になってしまうのは仕方ない」としたうえで、「今年はオリンピックもあり、仕事の面でもプライベートの面でも、通常生活、経済活動をできるだけ回していくには、今年いっぱい、ワクチンを打っていない人間として、マスクをつけたり距離を取ったり、不要不急のことはしない生活を続けることになるだろう」と述べた。
古川氏は、「今年中はそうだと思う」と答え、ワクチン接種による新たな懸念として、「イスラエルでは随分打っているが、打った直後に油断して、感染者が増えている。接種直後はまだ免疫が充分できていないので、打っただけではだめだ」とイスラエルでの事例を挙げた。
加えて、「効果が90%を超えたというのは、症状が出なかったということなので、感染を抑えられた確率はもっと低い。無症状でも人に感染させるのは分かっているから、ワクチンを打ったからといってマスクがすぐに外れる事態にはならない」と述べ、リスクがなくなってマスクを取ってもよくなるには年内くらいは見てもらいたい、とした。
一方で、「経済活動ができないレベルはもっと早く解除できると思っている」と述べた。
また、細川氏は、医師の確保が大変な中、医系議員が永田町近辺でワクチン接種をする方に回ることはあるのか、聞いた。
古川氏は、「そういうこと(ワクチン接種に回ること)も充分考えている。その時には白衣を着て頑張る」と意気込みを示した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2021年2月27日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。