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.社会  投稿日:2014/6/7

[渋谷真紀子]<無名の外国人のチャンス作り>独自性×需要性を創造する自分ブランディング


 

渋谷真紀子(ボストン大学院・演劇教育専攻)

執筆記事プロフィール

 

演劇教育専攻の大学院2年目が始まり、「独自性×需要性を創造する自分ブランディング」が少しずつ実り始めています。

アメリカ人は自己アピールがうまい!と衝撃を受けた入学当初。自己紹介では経歴よりも、特技に纏わるエピソードを話すので、面白い上に提供できる価値が明確でした。それが需要と合うか否かなのです。演劇の学位やプロ経験が無く、英語が母国語でない2重ハンディの私は、このままだと学生として学ぶのみになる…という大きな危機感から、自分の需要性を掘り起こすブランディングを遂行しました。どのようなステップで私が動いたのか紹介します。

1. 市場環境の把握
週3-5回の観劇、更に、ボストン周辺の劇団が集まるフォーラム、ワークショップ、パーティーに積極的に参加し人脈作りをしながら、どのような人達がどのような立場で舞台公演を行っているか把握しました。

2.需要性の分析
出会う人の反応から需要性を読み取り、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの視点から評価する“SWOT分析”という手法で、私が価値を生み出せる機会がどこにあるのか分析しました。演劇は文化・言語と深く繋がった芸術表現なので、英語表現学習手段として英語ミュージカルを活用していたという経験は、想像以上にアメリカで面白いと思ってもらえました。

3.価値化する差別化ポイント
演劇教育専攻の大学院生であること以上の価値は何か。東京出身の国際性×広告代理店での営業キャリア、これが仕事やプロジェクトで採用してもらう際に他の演劇教育関係者との明確な差別化ポイントであり、「日本人」であること以上の印象を残せました。

4. 「自分プロジェクト」の売込み
アイディアを企画書にし、主導できるプロジェクトを持つこと!企画書を持ち歩き、色々な人に話してきました。企画書を書けること自体が珍しく、また自分の興味も明確に伝わるので、紹介してもらえるチャンスが増えていきました。

1年経つと、次第に私という人間を周囲に認識してもらえるようになり、以下のようなプロジェクトに繋がっています。

  • グローバル教育を掲げた現地の私立小学校にて、「竹取物語」の英語脚本・演出
  • ArtsEmerson(世界の舞台表現をボストンへ!というミッションの劇団)のプロモーションディレクターのアシスタント
  • 演劇手法を使ったアメリカ人向けの日本文化体験レッスン講師
  • 昭和ボストン(昭和女子大学の海外分校)にて、私の演劇教育プロジェクト(「竹取物語」を通じて日本文化を劇に織り込み体験させる仕掛けの作り方、また劇を通じての英語を教えるメソッド)について客演講師

「自分ブランディング」を特に意識的に行った結果、これだけのチャンスを創ることができた1年でした。「経験」により見える世界が広がったので、次の戦略を立てるのも楽しみです。皆さんの「自分ブランディング」の参考になればと思います。

 

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