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.政治  投稿日:2022/11/6

「高岡愛誕生」未公開メモ③「政局より政策」 「高岡発ニッポン再興」その35


出町譲(高岡市議会議員・作家)

 

【まとめ】

・住民自治の第一歩のためにYouTubeなどを活用し、「市政の見える化」を推し進めたいと、会見で語る。

・「高岡愛」は政策集団として市民の思いを形にし、「政局より政策」を大事にする。

・役人と政治家の「馴れ合い」が、日本の競争力低下につながり、行政組織をチェックするには、議員として政策を磨く必要がある。

 

高岡市議に当選してから1年経ちました。3人の新人がつくった新会派「高岡愛」として活動させていただいています。支援をいただいている皆さまのお陰です。我々の会派3人は自民党の党籍を持っています。それなのになぜ、あえて新しい会派をつくったのか。当時のメモを初めて公開します。

2021年11月7日、高岡市内で建設中の複合施設「サカサカ」で、3人そろって、記者会見に臨みました。スーツ姿に初心者マークです。これは、ある飲食店で新人の方がつけていたものをお借りしたのです。

この3人というのは、大きな意味があります。3人以上いれば、条例を提出する権限があるのです。議員の側から、新しい風を吹き込むための条例を提出できるのです。

また、YouTubeなどを活用し、「市政の見える化」を推し進めたいと、会見で語りました。市役所、市議会はどんな動きをしているのか。それをできる限り詳しくお伝えするのは、住民自治の第一歩です。「市会議員は何やっているのかわからない」という批判されることは避けたいのです。

3人の得票は合計2万2732票で、有効投票の26%を占めます。わずか3人の会派ですが、得票数では最大会派です。地元紙の北日本新聞は「上位2人で計2万票という過去に例のない得票に、現職からは『ふわっとした票が全部2人に入った』『県議選並み。異常だ』との声が聞こえた」と伝えました。私の支援者は、この記事を読み、怒っていました。「ふわっとした票」という表現はいかがなものか。

その支援者はこんな見方を示します。「市民が現在の市政に対し批判的なのです。決して『ふわっとした票』ではなく、明確な意思を示した票なのです」。

市議会議員選挙と言えば、高岡市全体が選挙区なのですが、小学校区をベースに議員が出馬しています。しかし、嶋川議員、そして私の票は住んでいる校区だけで集まったものではありません。市内全域から幅広く票をいただいたものです。

高岡愛は、政策集団として、市民の思いを形にしていく。それが我々の責務だと思います。私は年長者ということもあり、会長に就きました。ただ、同じ1年生議員。対等ということで互いに「さん」付けで呼び合うことにしました。会見では、「既成概念にとらわれず、いろんなことを挑戦し、高岡を元気に、笑顔のまちにしたい」と語りました。この会見は、地元の新聞やテレビで大きく報じられました。一つの会派にしては、異例の扱いだったのです。

一方、自民党の3つの会派の統一協議は一転、決裂しました。市長選で角田市長を推した自民党未来創政会と、前の教育長を推した自民党議員会が会派名などで折り合わなかったのです。いったんは創政会に合流する形で大筋合意したが、市長選に端を発する対立は埋まらなかったのです。決裂したタイミングは、我々が「高岡愛」設立の発表をした翌日です。

 結局、自民党籍を持つ市議の会派は、「高岡愛」含めて4つになったのです。

 私が「高岡愛」の嶋川議員と熊木議員に口を酸っぱく言っているのは、「政局より政策」です。市民に寄り添って、一つ一つの政策を練り上げる方が大事だと思っているからです。

ジャーナリストとして30年間、政治をウォッチしてきましたが、とかく官僚や役人は、自分の都合のいいことばかり主張します。バラ色の未来を描くのです。政治家も、それに同調します。この役人と政治家の「馴れ合い」が、日本の競争力低下につながったのです。国だけではありません。高岡市もそうです。

しかし、今は人口減少、デフレの時代です。官僚や役人の甘言に惑わされてはいけません。将来の市民のためにも、健全な危機感を持つのは、大事です。今が良ければいいというのは危険です。そのためには、勉強が必要です。高岡市という行政組織をチェックするには、議員として政策を磨く。これが不可欠なのです。「不都合な真実」も見る勇気が問われています。高岡市は、じわじわ水温が上がり、ゆだって死んでいく「ゆでガエル」になってはいけないのです。

「高岡愛」結成から、1年経ちました。私は議員として、さまざまな経験をさせていただきました。うまくいくときもあれば、失敗する時もありました。

議会でカラス問題を質問すると、市当局は捕獲用のおりを1基追加で設置。議会での質問の重要性を改めて実感しました。また、再質問した際、要領を得ず、まごついたりもしました。これは大いに反省しました。

市民の声を聞きながら、市当局と向き合う。この基本動作を続けてきたつもりです。今後、あと3年の任期です。

謙虚にぶれずに、邁進しますので、皆さま、今後ともよろしくお願いします。

(①、②)

トップ写真:「高岡愛」オンライン市政報告会の様子。

出典:筆者提供。




この記事を書いた人
出町譲高岡市議会議員・作家

1964年富山県高岡市生まれ。

富山県立高岡高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。


90年時事通信社入社。ニューヨーク特派員などを経て、2001年テレビ朝日入社。経済部で、内閣府や財界などを担当した。その後は、「報道ステーション」や「グッド!モーニング」など報道番組のデスクを務めた。

テレビ朝日に勤務しながら、11年の東日本大震災をきっかけに執筆活動を開始。『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』(2011年、文藝春秋)はベストセラーに。

その後も、『母の力 土光敏夫をつくった100の言葉』(2013年、文藝春秋)、『九転十起 事業の鬼・浅野総一郎』(2013年、幻冬舎)、『景気を仕掛けた男 「丸井」創業者・青井忠治』(2015年、幻冬舎)、『日本への遺言 地域再生の神様《豊重哲郎》が起した奇跡』(2017年、幻冬舎)『現場発! ニッポン再興』(2019年、晶文社)などを出版した。

21年1月 故郷高岡の再興を目指して帰郷。

同年7月 高岡市長選に出馬。19,445票の信任を得るも志叶わず。

同年10月 高岡市議会議員選挙に立候補し、候補者29人中2位で当選。8,656票の得票数は、トップ当選の嶋川武秀氏(11,604票)と共に高岡市議会議員選挙の最高得票数を上回った。

出町譲

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