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.政治  投稿日:2022/11/4

「高岡愛誕生」未公開メモ① 嶋川さんに次ぐ2位当選 「高岡発ニッポン再興」その33


出町譲(高岡市議会議員・作家)

 

【まとめ】

・高岡市議選の投票結果は、8656票を得て、2位当選を果たした。

・地元の人は、「市長選と市議選は違う。出町は連合自治会の応援を得てないから、落選するかもしれない」と指摘していた。

・市議選は小学校の校下に根差しており、それぞれの地区では自分たちの地区の候補者に投票し、連合自治会の締め付けが強い。

 

高岡市議に当選してから1年経ちました。3人の新人がつくった新会派高岡愛として活動させていただいています。支援をいただいている皆さまのお陰です。我々の会派3人は自民党の党籍を持っています。それなのになぜ、あえて新しい会派をつくったのか。当時のメモを初めて公開します。

10月31日午後8時。投票が締め切られ、私はハラハラしていました。出馬を決めて2カ月余り。自分なりに一生懸命やってきたつもりですが、選挙はふたを開けてみないとわからない。家にいてもしようがない。夜遅く、支援者の理髪店で地元のケーブルテレビを見ていました。高岡市議会議員選挙の開票の模様を生中継していたのです。

立候補者29人の名前が出ているテーブルが映し出されていました。関係者が次々に、投票用紙の束を並べていました。その束は100票。一列に10の束があります。つまり1列が1000票。2列になれば、2000票。当確ラインです。

私は理髪店の経営者と一緒に、テレビにくぎ付けでした。開票場のテーブルに「出町譲」の名前も見えます。なんだか、私の票はあまり、増えない。ほかの多くの候補者と同じペースでした。驚いたのは、嶋川武秀さん(43歳)。物凄い勢いで票が増えていました。

嶋川さんにばかり、票が集まっていました。

「嶋川さんのトップ当選間違いないですね」。理髪店の経営者が言った瞬間、ケーブルテレビは、嶋川さんの事務所を映し出しました。当選確実が出たのです。午後10時40分ごろです。拍手と歓声の中、嶋川さんは、はきはきとコメントしていました。さすが漫才師。言葉は聞き取りやすく、話は上手いというのが実感でした。

ちょうどそのころから、私のテーブルの票が急ピッチで増えていきました。

どこかの地域の票が集まったのでしょうか。すると、私の携帯に、わが陣営の選挙本部から、連絡が入りました。

「当選確実だから、すぐに選挙事務所に来て」。午後11時15分ごろに、私は選挙事務所に姿を現しました。遅い時間帯にもかかわらず、多くの支援者が集まっていました。

投票結果は、8656票を得て、2位当選を果たしました。トップは嶋川武秀さんの1万1604票。嶋川さんは漫才師をやりながら、地元の報道番組のキャスターを務め、知名度抜群です。

告示日の総決起集会では落語家、三遊亭円楽さんも応援に駆け付けるなど、話題をさらった人物です。これまで過去最多は、2017年の4556票。嶋川さんにしても、私にしても大きく更新し、地元では話題が沸騰しました。「県議選並みの得票だった」という声も聞きました。

私がとった8656票。想定以上です。市長選に出て、2万票近く獲得したというものの、地元の人は、「市長選と市議選は違う。出町は連合自治会の応援を得てないから、落選するかもしれない」と指摘していました。

市議選は小学校の校下に根差しており、それぞれの地区では自分たちの地区の候補者に投票するからです。連合自治会の締め付けが強いというのです。結果的には、そうした見方が覆されたわけですが、決して自信があったわけではありません。それに、この選挙で、もう一人注目されたのは、26歳の新人、熊木義城さんです。自民党籍を持っていますが、Uターン組。元京都市市議会議員の秘書です。彼も連合自治会から推薦をもらっていない候補者でした。

トップ写真:高岡市議会選挙の速報を伝えるニュースを映すテレビ画面。

出典:筆者提供。

(②につづく)

 




この記事を書いた人
出町譲高岡市議会議員・作家

1964年富山県高岡市生まれ。

富山県立高岡高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。


90年時事通信社入社。ニューヨーク特派員などを経て、2001年テレビ朝日入社。経済部で、内閣府や財界などを担当した。その後は、「報道ステーション」や「グッド!モーニング」など報道番組のデスクを務めた。

テレビ朝日に勤務しながら、11年の東日本大震災をきっかけに執筆活動を開始。『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』(2011年、文藝春秋)はベストセラーに。

その後も、『母の力 土光敏夫をつくった100の言葉』(2013年、文藝春秋)、『九転十起 事業の鬼・浅野総一郎』(2013年、幻冬舎)、『景気を仕掛けた男 「丸井」創業者・青井忠治』(2015年、幻冬舎)、『日本への遺言 地域再生の神様《豊重哲郎》が起した奇跡』(2017年、幻冬舎)『現場発! ニッポン再興』(2019年、晶文社)などを出版した。

21年1月 故郷高岡の再興を目指して帰郷。

同年7月 高岡市長選に出馬。19,445票の信任を得るも志叶わず。

同年10月 高岡市議会議員選挙に立候補し、候補者29人中2位で当選。8,656票の得票数は、トップ当選の嶋川武秀氏(11,604票)と共に高岡市議会議員選挙の最高得票数を上回った。

出町譲

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