大阪IR:「考える会」MGMに公開質問状
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・「ギャンブル依存症問題を考える会」が大阪IR整備計画に関し、MGMリゾーツ・インターナショナルらに公開質問状。
・レオベガス社がMGM社から買収を受けるまでに内部に蓄積していた日本人向け オンラインカジノによる事業収益や資産の流れなどを確認。
・日本MGMリゾーツは現時点でコメントしていない。
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(以下、「考える会」)は7月20日、MGMリゾーツ・インターナショナル(以下、「MGM社」と、合同会社日本MGMリゾーツに対し、公開質問状を出した。
考える会は今月14日、観光庁に対し、大阪IR(統合型リゾート)整備計画の認可決定に対する審査請求及び執行停止の申し立てを行っており、それに対し、合同会社日本MGMリゾーツは、「一部団体によるご主張につきましては、事実無根であり、かつ誤解を招きかねないものでありますので、MGMとして全く容認できません」と声明を出していた。
公開質問状は、このMGM社側の反論を受けて出されたもの。オンラインカジノのレオベガス社がMGM社から買収を受けるまでに内部に蓄積していた日本人向け オンラインカジノによる事業収益や資産の流れなどを確認している。
「考える会」が出した公開質問は以下の通り。
【質問】
1 レオベガス社がMGM社から買収を受けるまでに内部に蓄積していた日本人向け オンラインカジノによる事業収益や資産は、そのままレオベガス社内部に残され、そのレオベガス社を、MGM社が買収して子会社化したという理解で間違いありません か。
2 MGM社がレオベガス社を買収する以前に、レオベガス社の日本市場向けのオンラインカジノ事業について、レオベガス社とカジノレオの運営事業体との間で名称や名目の如何を問わず、事業譲渡に関わる契約が締結されたか否かをご回答ください。
3 上記2の質問において、仮に事業譲渡に関わる契約が締結されていたと回答した場合、その契約内容を明らかにしてください。
4 上記2の質問において、仮に事業譲渡に関わる契約が締結されていたと回答した場合、レオベガス社は日本市場向けのオンラインカジノ事業の事業譲渡によってその対価を取得したか否かを明らかにしてください。
5 貴社らのホームページによれば、カジノレオに関して、MGM社は運営を行ってお らず、資本関係もないとされていますが、現在貴社らとカジノレオの運営事業体との 間には一切の契約関係あるいは取引関係がないという理解で間違いありませんか。
6 上記5の回答において、 貴社らが仮にカジノレオの運営事業体との間に契約関係 や取引関係があると回答した場合に、その契約や取引の内容を明らかにしてください。
尚、Japan In-depthは、この公開質問状に対するコメントを日本MGMリゾーツに現在確認中だが、まだ回答はない(2023年7月20日14時30分時点)。何らかのコメントが出次第、追記する。
(了)
トップ写真:記者会見をする「ギャンブル依存症問題を考える会」。左から中島俊明弁護士、田中紀子考える会代表、宇佐美典也 考える会政策アドバイザー(2023年7月13日 東京・千代田区、第一衆議院議員会館)
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。