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.政治  投稿日:2026/8/20

立憲・小西洋之議員の“秘策” 3党合流できなければ永田町に大きな政治団体を

立憲民主党・小西洋之参議院議員(2026年8月20日、Japan In-depthチャンネル出演時)

安倍宏行Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)

【本稿のポイント】

・立憲民主党・中道改革連合・公明党の3党合流をめぐり、小西洋之参議院議員は、立憲内で自治体議員や党員、参議院議員に否定的な意見が相当あるとして、「合流できないという判断はあり得る」と述べた。

・合流できなかった場合でも3党の連携を維持するため、永田町に大きな政治団体を1つ作り、3党の国会議員らが参加して共通の理念と政策を掲げ、将来の3党連立政権を目指すという構想を明らかにした。

・一方、合流する場合の壁として、公明党が求める安保法制・憲法改正・原発リプレースでの一致を挙げ、集団的自衛権の行使を憲法違反とする立憲の党見解との調整は「非常に容易なことではない」と述べた。

 

2026年8月20日、Japan In-depthチャンネルに、立憲民主党の小西洋之参議院議員が出演。立憲民主党・中道改革連合・公明党の3党は7月31日、合流について「8月末をめどに結論を出す」とする中間整理を確認しており、期限まで残り10日あまり。だが立憲の党内には、合流に否定的な意見が相当あるという。小西氏は4月にこの番組に出演した際、「合流するか、しないか」の2択に代わる「第3の道」の存在を示唆し、中身は次に登場するときに明かすとしていた。その「秘策」が、この日、他のどのメディアよりも早く明かされた。永田町に大きな政治団体を1つ作る、という構想である。

 

▶ 本編動画(Japan In-depthチャンネル)=https://www.youtube.com/live/1bANnvbs2fA?si=VrsrNSSyb45GhsZT

 

小西洋之議員の“秘策”とは何か

 小西氏の構想は、永田町に大きな政治団体を1つ作り、そこに立憲・中道・公明の国会議員が全員参加する、というものである。参加の対象には、中道改革連合として総選挙を戦った人たちも含むという。3党が1つの党にならなくても、連携そのものは残す。その受け皿を作る、という発想だ。

 前提には、立憲党内の空気がある。立憲民主党は総選挙の前の機関決定で、中道で選挙を戦い、立憲としては衆議院議員候補を立てないことを決めた。ただ、総選挙の後に参議院議員や自治体議員が新党に合流するかどうかまでは決めていない。いま党執行部が全国の県連にヒアリングを行っているが、そこで見えてきたのは合流への否定的な空気だと小西氏は言う。自治体議員は否定的な人が多数を占め、党員や支援者、参議院議員の中にも否定的な意見がある。そのうえで小西氏は、「立憲としては合流できないという判断はあり得る」と述べた。

 では、合流できなかったらどうするのか。

「仮に合流できないということになったとしても、立憲と公明、また中道との連携関係は、ちゃんと持たなければならない」

 理由として小西氏が挙げたのは、3党であれだけの規模の総選挙を戦った経緯と、自民党と維新による政権の下で日本社会が価値観的に分断されているという認識だ。皇室典範や国旗損壊罪をめぐる法律が、多くの反対を押し切って数の力で成立したことを挙げ、憲法の基本原理と立憲主義を守り、働く人を応援し、少子高齢社会の福祉対策も進める政治集団が必要だと語った。だが、立憲も公明も中道も、いまはいずれも小さな政党である。

「連携関係を保持していくためには、何らかの仕組みが必要だ」

 その仕組みが、政治団体である。この政治団体には、3党が共通して掲げることのできる理念と政策を置く。小西氏が例示したのは3つだ。1つは、超高齢社会に対応する社会保障の基盤づくり、すなわち「令和版社会保障の改革」。2つ目は外交・安全保障で、「戦略的な平和創造の外交」と「専守防衛の防衛力の整備」。3つ目が政治改革である。企業献金によって政策が歪められるような余裕は、もう日本社会にはない。それは自民党と維新にはできない改革だ、というのが小西氏の見立てだ。

 活動の中身も具体的である。「議員立法を作ったり、3党プラスにも呼びかけて、令和版の社会保障改革の実現を目指す」。選挙についても、「国政選挙や、場合によっては自治体選挙の一部でも、連携できるものは連携し合う」と述べた。

 その先に置くのは、政権である。

「1つの党にはならないけれども、3党で連立政権を目指すということは、基本の政治方針としては持たなければならない」

 小西氏によれば、この構想はすでに立憲の全国会議員の前や党内の会議では話しているという。そのうえで「合流しない場合には、これは絶対に必要だ」と、二度繰り返した。

 

なぜ3党の連携が必要なのか――衆議院第一会派という現実

 連携を残さなければならない理由の1つは、衆議院の第一会派を維持することにある。

「中道がバラバラのままになると、衆議院で野党第一党を国民民主に譲ることになる」

 国会の運営は、衆参それぞれの院で、与党と野党の第一党が協議して本会議や委員会の運営を決める慣行になっている。その交渉相手が中道改革連合ではなく国民民主党になることを、小西氏は問題視する。国民民主党については連立政権入りの動きがあり、本予算に賛成した経緯もあると指摘したうえで、自民党の政権ではない政治の塊が衆議院の第一会派でなければならない、と述べた。

「お互いさよなら、みんなバラバラで行こう、というのでは、国民に対する責任は果たせない」

 ただし、結論が出る時期そのものが動く可能性もある。小西氏は、熊本地震と千葉の豪雨災害を受けて少しずれ込むのではないかという話を聞いているとしたうえで、9月中旬以降になるのではないかとの見通しを示した。

 番組では、この「絶対に必要だ」という言葉を二度繰り返したときの語気や、では合流という結論になったら自身も中道に行くのか、という問いに小西氏が即答を避けた場面が、そのまま収められている。合流の壁についても、7月31日の記者会見で公明党の西田幹事長が安保法制・憲法改正・原発リプレースでの一致を求めたことに触れ、集団的自衛権の行使を憲法違反とする立憲の党見解との調整は「非常に容易なことではない」と語っている。3党協議の当事者が、いま何を考えているのか。続きはぜひ本編でご覧いただきたい。

▶ 本編動画(Japan In-depthチャンネル)=https://www.youtube.com/live/1bANnvbs2fA?si=VrsrNSSyb45GhsZT

 

番組で語られたそのほかの論点

・[0:33]〜 千葉の豪雨災害――放置車両とレッカー移動、道路指定の壁

・[4:10]〜 水没した老人ホームとポンプ車の増強

・[9:06]〜 水没した車と車両保険、被災地の「足」の確保

・[11:56]〜 新政治団体「護憲リベラル共生(ゴリラ)」への評価

・[39:39]〜 来春の統一地方選と衆議院定数削減法案

・[43:28]〜 副首都法案の可決と、チームみらいの賛成

・[47:13]〜 食料品消費税の減税に効果はあるのか

・[52:08]〜 官僚人事と「全体の奉仕者」

・[56:03]〜 民主党政権の経験と、いまの世代

あわせて読みたい

「中道で戦ったのは失敗」——小西洋之議員が示唆する「第3の道」とは(2026年4月23日)

9条2項は「国民の宝」——小西洋之議員の改憲阻止論(2026年4月24日)

緊急事態条項、なぜ衆参で「真逆」なのか――立憲・小西洋之氏に聞く改憲の分水嶺(2026年6月18日)

 

【よくある質問(FAQ)】

Q1.政治団体とは?

A.政治上の主義や施策を推進・支持・反対することや、特定の公職の候補者を推薦・支持・反対することを本来の目的とする団体などをいい、組織した日から7日以内に届け出が必要とされる。政党も政治団体の一種で、所属する国会議員が5人以上、または直近の国政選挙で全国の得票率が2%以上といった要件を満たす団体が「政党」となり、それ以外は「その他の政治団体」に区分される(総務省「政治団体とは」)。

Q2.会派とは?

A.議院の内部で活動を共にしようとする議員のグループで、2人以上で結成できる。国会の運営は実質的にこの会派を単位として協議され、常任委員長や委員・理事、本会議の発言時間などは所属議員数に応じて各会派に割り当てられる。同じ政党の議員で構成されるのが一般的だが、複数の政党で1つの会派をつくることもある(参議院「国会キーワード 会派」)。

Q3.小西洋之議員はどのような立場か?

A.立憲民主党所属の参議院議員(千葉県選挙区・当選3回)。党では憲法調査会長と外交安全保障調査会長を務める。参議院では厚生労働委員会の理事、政治改革に関する特別委員会の理事、憲法審査会の委員を務めている(参議院・議員情報、令和8年8月16日現在)。

Q4.3党合流とは何を指すのか?

A.立憲民主党・中道改革連合・公明党の3党が1つの党になることを指す。3党は7月31日、8月末をめどに結論を出すとする中間整理を確認しており、各党内で手続きが進められている。

 

関連リンク

・Japan In-depthチャンネル(YouTube)

 

トップ写真:立憲民主党 小西洋之参議院議員ⒸJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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