[山田厚俊]【ヘイトスピーチ団体と親密な政治家はOK?】~辞任ドミノの中、呈された素朴な疑問~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「なんで日本はその程度の問題で閣僚が辞任するの?」
外国人の友人は、こう疑問を投げかける。もちろん、小渕優子前経産相と松島みどり法相の辞任劇を指してのことだ。欧米諸国では、この程度のことで辞任するのは奇異に映るというのだ。とはいえ、現在の日本の政治風土のなかでは、辞任はやむを得ないだろう。ぼく自身、異論を挟むつもりはない。
しかし、続く友人の言葉は傾聴に値する。「一方で、ヘイトスピーチ団体との親密ぶりが囁かれている大臣はなぜ平気でいられるのか」9月3日の改造人事発表後、明らかになった1枚の写真。山谷えり子拉致担当相が、「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)の幹部だった男性と記念写真に収まっていた問題は、外国人特派員協会の会見でも鋭く追及され、たじたじになっていたことは記憶に新しい。ところが、国会での追及は生ぬるく、もう済んでしまったことのようなのだ。
そんななか10月20日、橋下徹・大阪市長と在特会の桜井誠会長が会談。罵声の応酬でわずか8分ほどで会談は終了してしまった。大手メディアの報道では、橋下市長の対応のまずさを指摘する声が多かったが、もう少し、在特会側と向き合う姿勢を示した橋下氏を評価してもいいのではないだろうか。
加えて言えば、今後野党は、このようなヘイトスピーチ団体と仲良くしていた議員をしっかり洗い出し、政治姿勢をしっかり問い質していくことが重要ではないだろうか。
改めて言うまでもなく、言論の自由とヘイトスピーチはまったく違う。しかし、街頭で行われる演説や抗議行動など、混同しているものも散見してみられるように感じる。これらの問題を無視して、国際社会にアピールできるとは到底思えない。自民党には自浄作用を促すべきだし、各野党はしっかり追及の手を緩めないよう期待してやまない。
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