[山田厚俊]【うちわにスカーフ、松島法相窮地】~辞任に向け野党、スクラム組めるか?~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「このまま居座られたら、野党の面目丸潰れ。何が何でも辞任に追い込まないと、野党のだらしなさが浮き彫りになっていまいますよ」
霞が関キャリア官僚は、こう嘆く。9月29日から始まった臨時国会を賑わしているのが、松島みどり法相に関する問題だ。
松島法相は、選挙区内の夏祭りの会場で、名前入りの“うちわ”を配っていた。このことが、公職選挙法で禁じられた有権者への寄付に当たると指摘されている。
さらに、赤いスカーフをまいて参院本会議に出席した問題、東京23区内在住でありながら、法相就任後に原則に反して衆院赤坂議員宿舎に入居した問題など“日替わり問題”で野党の追及の矢面に立っている格好だ。
それでも、のらりくらりと野党の質問をかわし、挙句の果てに10月10日の記者会見で松島法相は、「いろんな雑音でご迷惑かけたことは残念だった」と語り、謝罪を拒否。この「雑音」発言を重要視した野党側は連休明けの14日、参院法務委員会の理事会で厳重に抗議した。
与党側は「与党としてお詫びしたい」と陳謝し、松島法相も陳謝する方向になったようだ。
しかし、それで矛を収めれば、野党の存在意義が問われかねない。政治ジャーナリストは語る。
「スカーフの問題も、議員宿舎の問題も基本的な事案で分かること。宿舎については当初、警備上の問題があるからと言って特例的に住んだというが、週末に自宅に帰っていたりしていた。これじゃ、特権利用としか言いようがない。それだけでもアウトなのに、うちわの問題に関しては、完全な公選法違反。知らなかったでは済まされないし、辞任は止む無し。安倍首相の任命責任まで発展することも考えられます」
なかなか足並みが揃わない野党だが、ここでは全野党スクラム態勢で追及に臨んでほしいものだ。
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