[山田厚俊]【大衆迎合?新しい政治スタイル?】~ベンチャー新党「日本を元気にする会」は大化けするのか?~
山田厚俊(ジャーナリスト)
「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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コーヒーに縁が深い国会議員といえば、松田公太参院議員だ。タリーズコーヒーを日本に広めた人物として知られ、2010年の参院選でみんなの党(解党)から出馬し、当選した。しかも、意外に知られていないが、現在のパンケーキブームの発火点、「Eggs ‘n Things」の“仕掛け人”でもある。
「実は、タリーズジャパンを辞めてから、シンガポールに拠点を移して新事業を練っていた際、ハワイで人気だったEggs ‘n Thingsに夢中になり、ハワイと米国以外での出店の権利を得て、10年2月に東京・原宿に1号店を出したんです」(松田氏)
その後、議員出馬を持ちかけられ、意を決して立候補し、当選。しかし、党は分裂、渡辺喜美元代表の8億円借り入れ問題、そして解党と、波乱の議員生活を送ってきた。そうした中、松田氏は元みんなの党所属らと、次世代の党を離党したアントニオ猪木参院議員とともに新党「日本を元気にする会」を発足、自身が代表を務めることとなった。
「野党再編をするとか、自民党と一緒にやるという従来の手法の政党なら、私はやりません。新しい政党モデルを作って政界に新しい風を送り込みたい」(松田氏)
具体的な中身は1月20日の会見で発表するが、一番の違いは「重要政策は国民と話し合って決める」ことだという。「消費増税も原発事故対応も集団的自衛権も、選挙公約に無いものがどんどん勝手に決められてしまっている。国民に拘束され、共に成長するスタイルを作り出していきたい」
大衆迎合と非難されるのか。それとも新しい政治スタイルとして定着するのか。かつて、エスプレッソをベースとしたスペシャリティコーヒーの全国展開を夢見てタリーズを成功させ、従来のホットケーキとは違ったパンケーキを流行らせたベンチャーの旗手は、今度は政界にベンチャー魂で挑戦しようとしている。このベンチャー政党、果たして上場できるだけの大政党に化けることが出来るのか。
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