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[安倍宏行]2014年消費動向「勝ち組、負け組鮮明に」〜ネットショッピングが当たり前になった世代にモノを買わせるためには「爆速」で「新しい価値の創造」を

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Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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海外には「プチ贅沢」というのはないらしい。いや、確かめたわけではないのだが、日経でアサヒビールの小路明善社長がそう言っていた。確かにわが身を振り返っても、夜は発泡酒じゃなくて、プレミアムビールを飲み、ささやかな幸せを感じてたりする。これが「プチ贅沢」といいうものか?いや、にしてもプチ過ぎないか?そんな日常を過ごしている編集長・安倍です。

さて、今朝のニュースで目に留まったのは、11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)が100.7となり前年同月比で1.2%上昇し、6カ月連続で前年を上回り5年ぶりに1%台に乗せた、というもの。円安とエネルギー価格の上昇を背景に、テレビやパソコン、缶詰など幅広い品目の値段が上がっている。振れの大きい食料(酒類を除く)やエネルギーを除いた指数に至っては、前年比0/6%のプラスで15年3カ月ぶりの上昇というのだから驚きだ。15年も上がっていなかったのかと今さらながら驚きを禁じえない。又、来春以降は消費税の引き上げもあり、物価がさらに上昇する可能性が高い。

そうした中で、雇用もようやく少しずつ改善しつつあるようだ。11月の有効求人倍率は1.00倍となり、約6年ぶりに1倍に乗せた。11月の完全失業率(季節調整値)は4.0%で、10月(4.0%)から横ばいだった事見ると、雇用環境の改善は力不足は否めないが、今後、自動車などの製造業を中心に雇用は増えていくものと思われる。

さて、話を「プチ贅沢」に戻そう。2014年もこの流れは続くものと思われる。4月の消費税増税の直後は落ち込みが予想されるが影響は軽微との見方がエコノミストや経済学者の中には多い。百貨店では引き続き「デパ地下」が好調だ。クリスマスイブに某デパートの食品売り場を覗いたが、ローストチキンを買う人の行列の長さにはびっくりした。家電量販店も回ってみたが、やはり人でごった返していた。4Kなどの効果もあり、テレビの価格も下げ止まっている。円安による株高で、資産効果の恩恵を享受している中高年層を中心に贅沢品が好調だと言う。

しかし、ブランドや宝飾関係者に話を聞くと、低価格のモノと、高額の物は良く売れるが、中くらいの価格帯の売れ行きが芳しくない、との声が多かった。ジュエリーでいうと、3万円台くらいまでのものは良く出ているが、7万、8万となると二の足を踏むお客さんが多くなっている、と言う。賃金上昇がまだ多くの企業に波及していない事を考えると、やみくもにお金を使う気分にはならない、というのが消費者の本音であろう。

最近の消費者の購買パターンは、若者を中心に、実店舗で商品を見てから、ネットで価格を比較、一番安い店のサイトに言ってe-ショッピング、というパターンが定着してきている。実店舗にお金を落としてもらうには、従来の発想では困難だ。店舗に行かなければ手に入れる事が出来ない、モノやサービスを提供しなければ人は来ない。つまり、新たな価値を創造しなければならない。いいものを置いておけば客は勝手に入ってくる、という時代はとうに終わっている。

AMAZONが実店舗を都心にオープンしたら多くの消費者はそこに足を運ぶだろう。それは多くの小売店にとって大きな脅威となろう。それに対し既存の小売業の対応のテンポは遅すぎる。百貨店などは未だに馬に食わせるほど、DMの類をがんがん送りつけてくる。そんなものを見て買い物に行く人など、どれだけいるのだろうか、と疑問に思う。

アベノミクスによる景気の波をどう捉えるか。日本人消費者だけではない。円安のお陰で大量に来る外国人観光客にどうお金を落としてもらうかが、2014年は重要だ。

爆速、いや超速で経営判断をしていかねばならない時代であることだけは間違いない。そういう意味で、旧来の発想から抜け出せない企業にとっては2014年は必ずしもいい年にはならないだろう。勝ち組、負け組が鮮明に分かれる年となるような気がする。

 

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