女子高生、女子大生が考えるからだのこと
女子高生や女子大生は自分の健康についてどう考えているのだろうか?女性の健康啓発を行う一般社団法人シンクパールは、「女子高生からだ会議®2016」と「女子大生からだ会議®2016」を開催し、代表の難波美智代氏が、子宮頸がんなどを罹患するリスクなどについて説明した後、彼女たちと意見交換した。
まず、8日に行われた「女子高生からだ会議®2016」では、婦人科のかかりつけ医をもつことについて、「1人で行くのが怖い」「なにされるかが(わからなくて)怖い」「いくらかかるのかわからないから怖い」などの声が相次いだ。ではどうするか?彼女たちに尋ねると、「(婦人科検診は)健康診断というかたちで強制にすればみんながいるから怖くない」、「 保健体育の授業を一方的な知識のつめこみではなく、実践的な内容へ変える」、「産婦人科デビューに学割を適用する」などの意見が出た。高校生だとまだ関心も無く、情報が圧倒的に少ない。自分で調べる以前の状態であることが分かった。
9日には「「女子大生からだ会議®2016」リーダーズミーティングが開かれた。4人の女子大生に健康について日ごろ行っていることを聞くと、「検診に行ったことがある人」は4人中2人。「定期的に検診に行っている人」と「信頼できるかかりつけ医がいる人」は共にゼロだった。20代〜40代の働き盛りの女性に乳がんや子宮頸がんが増えている中、20代の学生の検診に対する意識は思ったほど高くない。
慶應義塾大学法学部政治学科の佐川奈央さんは、「子宮頸がんの知識以前に女子大生は生理についても知らない。」と指摘、「第一段階として生理痛など身近な問題から入って、第二段階として子宮頸がんについての情報や知識を提供すると、より興味が湧いたり、自分事として取り入れやすい。」と提案した。
具体的にキャンパスで女性の健康に対する知識を広めるためには、TGC(東京ガールズコレクション)などで検診ブースを設ける、医療系のゼミと連携する、InstagramなどSNSを利用し情報を拡散する、などのアイデアが出た。
若いころから身体について知識を持つことが当たり前な社会にするために、私たち一人ひとり何が出来るか。4月9日は「子宮の日」だ。1年間に1万人あまりの女性が子宮頸がんにかかり、約3,000人が子宮頸がんで亡くなっているという現実。そこから目をそらすことだけは避けたい。
*写真©Japan In-depth編集部