.国際  投稿日:2017/2/11

弾劾裁判審査前に反撃 韓国朴大統領インタビュー その2

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朴斗鎮(コリア国際研究所所長)

(この記事は「チョン・ギュジェTV」2017年01月25日放送の翻訳です。訳:朴斗鎮)    

チョン主筆 ろうそくデモには、大統領の間違えた民主主義を私たちが回復するという主張もありますが、一方では、ろうそくデモは狂牛病事態(2008年に米国産牛乳の輸入問題で完全なデマで起こったデモ)の延長にすぎない。虚講の疑惑とデマによって膨れ上がったデモだとの主張があります。どうお考えですか。

パク大統領 狂牛病事態と今回の事態は、根拠が弱かったという点で似たような点があると思います。

チョン主筆 ろうそくデモに直接出かけて肉声で何かを話す計画はありませんか。

パク大統領 すべてを見ています。直接行く計画はありません。

チョン主筆 最近では、太極旗集会参加者(弾劾棄却を訴えるデモ)が多くなって、この2週間ではろうそくデモよりも太極旗集会参加者が多くなり展開も熱くなりました。慰労をちょっと受けたりしますか。

パク大統領 ろうそくデモを2倍も超えるほど熱心に参加されていると聞いていますが、なぜその方たちが、雪のなかで、寒いのにずっと出ているのかと考えてみると、自由民主主義体制を守らなければならない、法治を守らなければならない、そうしたことのために苦労して出ていると思います。こうしたことを考えると。胸が張り裂けそうな心情です。

チョン主筆 太極旗集会にも行く考えはないのですか。

パク大統領 まだ何も決めていません。

チョン主筆 大統領在任中に、今在任中というのは少し適当でないかも知れませんが、重要な選択を多くされましたが、私のこのような選択は記憶されなければならない」と思うことには何がありますか。このような雰囲気の中で、あたかもチェ・スンシルが操って、例えば開城工業団地の閉鎖もチェ・スンシルの作品だという報道がありますが。(笑)

パク大統領 話にもなりません。本当にあきれ返る話です。

チョン主筆 どのようなことをなさいましたか?

パク大統領 これまで私が行ったことですよね。国家のアイデンティティを守る基礎を固めるために、たくさん努力をしてきました。いくつかのことがあります。統合進歩党解散もありました。また一方では、経済分野で大きく分ければ二つ、一つは財務管理をよくして、ファンダメンタルズを適切に管理して、その部分で国家信用格付けで過去最高を記録しました。それは国際社会が認めています。国家信用等級が高いというのは私たちに有利な点が多いですね。もう一方では4次産業革命が行われていますが就任してから創造経済と文化隆盛を介して、4次産業革命が達成されるよう基盤を固めることに心血を注いできました。最近の報道を見るとブルームバーグ通信の革新指数で、韓国が4年連続1位となり、国際社会も認めてくれているのだなと、やりがいを感じています。未来を準備すること財政を管理することに多くの心血を注いできました。

チョン主筆 チェ・スンシル事件がなかったならば、今頃はどのような政策に邁進しているのに、本当に残念だ。それがなかったら今どのような政策に邁進していたのでしょうか。

パク大統領 今いろいろと推進している事項がたくさんあります。対北朝鮮関係もそうだし、そして国際社会と約束したこともあり、それから経済をはじめとして24のコア改革課題を根付かせるために引き続きチェックしながら心血を注いでいますが、その中で成果が出てきたのがいくつかあります。それらが根付いて仕上げられればどれだけよいだろうかと思います。残念です。

チョン主筆 サード(THAAD : 高高度ミサイル防衛システム)の問題で、中国が神経質となり韓国を脅迫している局面です。大統領は職務停止中なのでそれをただ見ていなければならない状況ですね。また一部政治家が中国に出かけておかしな行動を取っています。サード問題は中国と合意することはできませんでしたか。このまま行くのですか。

パク大統領 中国とも多くの疎通をしようと努力しました。説明もしましたし。サードは私たちが推進するしかありませんでした。北朝鮮の核とミサイルの脅威から領土と国民の生命を守るための最低限の防御システムです。これをしないと言えば、それは間違った国でしょう。

チョン主筆 現在の大統領職務中止状態が、中国の神経質な反応を強化していますか。大統領が正常な状態であればそこまではしなかったと感じますか。

パク大統領 私が手足を縛られていなければ、いろいろな力を使うことができたと思います。しかし職務が停止されていますので動けません。また国が発展するというのは、よく食べて物質的によい生活をする、そのことだけを意味するものではないと思います。もちろん、均等に豊かさを味わわなければならないでしょう。それと同時に国の主権を守るためにも努力しなければなりません。物質的に生きながらも主権を守る、そのために豊かな生活をめざして努力するのです。物質的に豊かに暮らすとしても主権を守れなければ、それは違うのではないですか。主権を守る最小限の防衛システムを備えなければ主権を持った国ではないでしょう。主権が守れなければ侮られ踏みにじられるでしょう。そうすればますます軽んじられ国を守れなくなるのではないですか。本当に重要な問題だと思います。

チョン主筆 ドナルド・トランプ米国大統領の当選をどう見られましたか。そのこともだまって見ていなければならないですね。

パク大統領 トランプ大統領の時代が開かれたのでしょう。それによって世界の経済と安全保障環境が変化する可能性があります。それにうまく対応するために、素早く努力をしなければならない時だと思います。ところが今、韓国の環境はこのような変化、東北アジアの環境が変化するのに対して、どのように対応して乗り越えていくかについての悩みや努力があまり見えないようで心配しています。

チョン主筆 大統領が政界に入られる前も当時のハンナラ党が危機を迎えていました。「チャッテギ事件(車ごと選挙資金を受けとった事件)」でテント党舎を経験したこともありますが、最近のチェ・スンシル事件で大統領の手足が縛られている状況とはいえセヌリ党はさらに徹底的に崩れているようです。どう見られますか。

パク大統領 わが国には多くの団体があります。学校もあり会社もあります。そこでは同窓生や親友を呼ぶ時に同志とは絶対に呼びません。唯一同志の皆さん、同志と呼ぶのは政党だけです。それは大変意味のあることで、政党は同じ信念や価値観、歴史観、安保観、経済観、経済政策、こうゆうものに対して共有する人が集まってこそ作られる結社です。それがない場合は、その政党は虚弱になるしかありません。わが国だけでなく外国も同じと思いますが、外国でも理念を共にする結社がそれぞれあります。わが国も政党がそのように結社らしい理念を共にするべきです。経済に対しても、もちろん些細な個人の違いはありえますが、大きな枠組みで私の安保観はこうだと理念を共にする結社となれば力を持ちます。またその政党を支持する国民を結集することもできます。国民がその政党に信頼を寄せることでより発展し長く持続することができるのですが、そうした要件が備わらなければ長続きするのは困難です。政党がそうした目的ではなく、あの政党に行けば選挙で票を多く得て当選できる、または利害関係だとか、こうしたもので作られた政党は、力も出ないし国のために役割を果たしにくいと思います。政党が危機の時はそこに焦点を当てて、それが基本ですが、政党をどのように守り危機を見守る国民にどのように忠実に答えるべきかという基本に立ち戻れば危機を克服することができると思います。

チョン主筆 セヌリ党をどう評価しますか。

パク大統領 そこ(基本)に合わせてやるか否かにかかっています。それがセヌリの将来を決定するでしょう。

チョン主筆 そこにもって大統領候補もいないでしょう。

パク大統領 そのような結社になれば大統領候補も出てくることも可能ではないですか。基盤がしっかりとしなければ。

チョン主筆 政界は弾劾を既成事実として大統領選挙に入る雰囲気があるではないですか。多くの国民も疲労を感じており、大統領が弾劾されるほどに間違ったことはしていないが、どうせなら早く終わらせて、早く大統領選挙をして政治が静かになってほしいと話す人たちもいます。賛成しますか。

パク大統領 今それを話す立場ではないと思います。

チョン主筆 大統領候補が多いです。今回、朴大統領は過酷で苦労していますが、候補者に一言ヒントを語るとするなら?

パク大統領 (大統領選挙候補が)それも知らずに大統領候補に出てくるでしょうか。

チョン主筆 ですが私が感じるには知らない人もいるようです。朴槿恵大統領が弾劾されているのを見ながらも、大統領職務の苦しさや複雑さや、どのように敵に包囲されているのか、または包囲されつつあることに対してなんらの考えも持たない人たちもいるようです。大統領と意思疎通ができない。夕方に何をしておられるのか、TVドラマ見ておられるのか、もしくはチョン・ホソン氏が証言したように、大統領はワーカーホリック(仕事の虫)だ、書類を積み上げて勉強されている、とさまざまな意見がありますがその中で何が真実ですか。

パク大統領 ドラマをたくさん見ている時間はありません。そのように時間を費やしていたらこれまで多くのことをこなすことができませんでした。書類は1日で山積みになるので常に見ています。夕方の時も見ているし、必要なら週末にも見ています。またそれを持って(主席秘書官や長官に)聞いたりもして、確認することもあります。また決定を迅速に下さなければならないこともあり、早く結論を出さなければならないので考え続けながら協議をしています。そういうことが大統領の仕事の中でもかなりの比重を占めています。

チョン主筆 セウォル号7時間の執拗な疑惑提起には、一部で女性大統領に対する過度な関心だ。または女性卑下意識が潜んでいるとか。集団的な意地悪な関心だと感じますか。

パク大統領 そうだと思います。女性大統領でなければそのように卑下される理由はないでしょう。女性卑下だと考えます。わが国に残っている。就任後いろいろな国を訪問しましたが、女性大統領を輩出していない国が多いです。自分たちの国では女性大統領を選出できていないのに、考えもしていなかった儒教圏の東北アジアの韓国で女性大統領が出たので驚き評価しているとの話を多く聞きました。なのに今回大騒ぎでしょう。そういうふうに見ているではないですか。女性を卑下する今回の事態に接しつつ、外国人が韓国に対して持っていたイメージがたくさん崩壊したと思います。

チョン主筆 例えば今回アメリカでは大変ユニークな「私が男だ」と主張する候補が女性候補のクリントンを負かしました。しかし英国ではメイ首相が仕事をよくするという評価を受けています。ドイツのメルケル首相などは言うまでもなく。そのような観点で比較されると感じたところがありますか。自らの取り組みをメルケルのリーダーシップモデルで考えてみたことがありますか。

パク大統領 すべて立派な女性指導者です。韓国という特殊なそうした国とは状況が異なる国でリーダーシップを発揮しようとすれば、自分なりのリーダーシップの努力と悩みが必要だと考えます。韓国という特殊な環境、南北が対立している国に合わせて国益に役立つように、どのようにリーダーシップを発揮するのか、それなりに悩みながら積み重ねてきました。

チョン主筆 北朝鮮が変化を示す予感はありますか。

パク大統領 北朝鮮と対話もし交流し文化や体育などを通じて平和的に同質性も回復しながら複数の民間交流しようとしましたが、それが通じませんでした。むしろ、ミサイルと核実験で返ってきました。そうした状況で私たちも核を放棄させるために戦略を変えなければなりません。圧迫と制裁を介し、北朝鮮が戦略を変えて核を放棄しなければならないとの考えを持つようにさせなければならないと考えました。また韓国だけで出来ることでもないので同盟国をはじめとした国際社会がともに力を合わせて放棄させるようにしてこそ韓半島に平和が訪れると考えて努力してきました。

チョン主筆 北朝鮮はいつ頃変化すると見ますか。

パク大統領 予感というよりは、国際社会の制裁やさまざまな措置に対して北朝鮮がかなり圧迫を受けています。途中でやめるのは何もしないことよりも劣るということわざがあるように、あと少し掘れば水が出るといっても最後のひと堀りを掘らなければ水は出ません。最後まで努力しなければならないと考えて推進してきました。それを最後まで進めて行けば韓半島に平和が訪れるのではないかと考えます。

チョン主筆 弾劾が棄却されれば、今までの誤ちは正す必要がありそうです。例えば検察権の過剰問題とか、膨らんだマスコミの報道などを。もちろん弾劾の当事者である大統領にお聞きするのは失礼だとは思いますが、正す手続きが必要であると見ますか。

パク大統領 今回の事態を経験しながら、多くの国民は韓国がこのようになっていたのかと感じたでしょう。例えば生業だけに従事しながら暮らしていたが、今回、韓国にこのような面があり、あの人がどうでこの人がこうだと広く知られて明らかになりました。そのようなコンセンサスの下で、国民は、健全に進む方向で力を合わせてこの国を発展した国にしなければなりません。指導者も必要だが、それは一人ではできません。

チョン主筆 チェ・スンシルは大統領にとって果たしてどんな存在でしたか。

パク大統領 先ほども少しお話しましたが、長い時間をかけた知人です。私が一人で過ごしているので用事もしてくれ、そばで私を忠実に助けてくれた人です。そんな中、今回の事態で私が知らなかったことがありました。事業体をどうしたとか私益を得たとか。私が知らなかったことが不覚です。

チョン主筆 最後にこのような機会があれば国民に言いたかったことや、私が質問できなかったことでお話ししたいことがあればお話しください。

パク大統領 あまりにも多くの質問をされたので(笑)

チョン主筆 沢山の質問に丁寧に答えていただき感謝します。最後に国民に伝えたいことがあればお話しください。

パク大統領 過去の選挙時、1500万人を超える有権者・国民のみなさんが熱心に支持してくださり、大統領職を遂行することになりました。そこにまともに報いることができず申し訳ない気持ちを持っています。それよりもあまりにも多くの根拠のない話、またその虚言が真実だとしてさらに大きなウソが積み重ねられています。それが後で明らかにされても「あ、そう。それならそれで」といって誰も責任をとらない社会となっています。そのような虚構の中で誤解を受けているのが悔しくもあり苦しくもありますが、それも自分の過ちではないかと受け入れています。こうした中でも国民が支持をしてくださり応援してくださっていることに対して、私が困難ではありますが力が湧きます。国を思うようになってから、幼い時から、どうしたら国に役立ち国益を拡大させ国民が安全で平穏に過ごせるようにとそれだけを考えて生きてきました。今後もそれだけを私の人生の目標として生きて行きたいと思っています。あまりにも重い話をしてきましたので、今名節(旧正月)の挨拶をさせていただくことが適切なのかは分かりません。しかし正月が明後日ですから、国民のみなさんが楽しい名節を送っていただくことを祈念いたします。

 

(了。その1の続き。全2回。本記事はコリア国際研究所の記事2017年2月7日掲載 の転載です)

写真:everystockphotoよりPresiden Korea Selatan Tiba di Bali

Park Geun-Hye, Presiden wanita pertama Korea Selatan tiba di Bali dalam rangka KTT APEC 2013 di Bali, Indonesia.

 
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この記事を書いた人
朴斗鎮コリア国際研究所 所長

1941年大阪市生まれ。1966年朝鮮大学校政治経済学部卒業。朝鮮問題研究所所員を経て1968年より1975年まで朝鮮大学校政治経済学部教員。その後(株)ソフトバンクを経て、経営コンサルタントとなり、2006年から現職。デイリーNK顧問。朝鮮半島問題、在日朝鮮人問題を研究。テレビ、新聞、雑誌で言論活動。著書に『揺れる北朝鮮 金正恩のゆくえ』(花伝社)など。

朴斗鎮

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