[安倍宏行]<原宿・雑貨ウォーズ勃発!>外資に挑む国内メーカーに勝算ありや?なしや?
Japan In-Depth編集長
安倍宏行(ジャーナリスト)
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「勝てると思いますよ!」
不敵な笑みを浮かべるのは、原宿・表参道に17日オープンする低価格雑貨店Awesome Store(略称: A.S)を経営する株式会社レプハウスの堀口康弘社長だ。
彼が挑戦状を叩きつけた相手は、連日行列ができる、あのデンマークの雑貨店、フライングタイガーコペンハーゲンだ。原宿にはもう1店舗ASOKOという人気の雑貨屋がある。A.S(アズ)はその2つの店の丁度中間地点に殴り込みをかけた格好だ。
さてその実力のほどはどうか?店内を見て真っ先に気づいたのは、ポップな品揃えのライバル2店舗と違って、落ち着いたロハス的な雰囲気だ。そしてよそにはない和のテイストも取り入れた。箸や茶碗があったりするのだ。
「女性だけではなくカップルで来てもらえる店を目指した。ライバル店には絶対真似のできない高品質の商品を開発した。」(堀口社長)
それでいて価格は信じられない程の安さ。中心価格帯は200円から400円だ。
「価格帯はフライングタイガーと同等レベルにした。この品質でこの価格は、よそは絶対真似できないですよ。」(堀口社長)
この自信はどこからくるのか?それはレプハウスという会社の生い立ちに秘密がある。実はこの会社、元々商社だったという。つまり、流通のノウハウがあるということだ。通常輸入品を扱う小売業は商社に頼まないと商品を揃えることが出来ない。レプハウスは自社で商品企画から海外工場での生産、輸入、販売迄一貫してできるのが強みだ。中間マージンを一切排しているから、高品質の商品を低価格で販売することができる。いわば、雑貨業界のSPA(注1)といえる。
レプハウスはまずA.S表参道店で年商5億円、3年間で30店舗を目指しており、早くもデベロッパーから出店要請が引きも切らないという。
「(今後の店舗展開は)フライングタイガーさんが出店する隣で100坪以上用意できるなら、出てもいいですよ、と言ってます。(笑)」(堀口社長)
どこ迄も強気一辺倒だ。とはいえ、ライバル各社も黙ってはいないだろう。価格競争はしたくない、と語る堀口社長ではあるが、相手が戦争をしかけてくることもあろう。そうした時にA.Sはどう対抗するのか?先行ライバル会社に売ったこの喧嘩、勝敗の行方が大いに気になる。
注1)SPA(speciality store retailer of private label apparel)=製造小売業。 商品の企画、製造、物流、販売、マーケティング、在庫管理まで一貫して行う小売業態。
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