セブ島にない新しいサービスを展開する「きっかけ」と「理由」とは?[フィリピン・セブ島で活躍する日本人]
飯村建樹(株式会社エイチビー 代表取締役)
きっかけと理由は?
生まれ育った日本を離れ、家族ごとセブ島に移住しての起業となれば、こう聞かない人はいない。
「何故セブなのか?」その答えについて書こう。
セブに初めて行く事になった「きっかけ」はちょうど一年程前に遡る。友人を介し知り合った、東京とセブでIT企業を営んでいる社長にセブへ行こうと誘って頂いたのだ。セブ島=バリ島だと思っていた程の海外音痴の私に、セブで活躍している日本人を数多く紹介して下さった。私は彼らの独特な魅力と人間性に惹かれ、分かり易く言えばカッコイイと素直に思った。これがセブで起業する事を決めたきっかけだ。
次に「理由」。いくら直感や感性が大事だと言ってもビジネスとしてどうなのかは最低限考えなければならない。
当社の事業内容は大雑把に言えば日本では珍しくない「カー・コーティング」だ。「3年間ワックス要らず」、と言えばピンとくる人も多いはず。カーユーザーにとって、必須ではないが、ある付加価値を与えるサービスである。
1台あたりの施行価格は一般的に8万円程度と高額だ。セブ島の一般正社員の平均賃金は月2万円程度だというので、カー・コーティング・サービスが簡単に売れるとは思えない。しかし、街には高級車をよく見かける。なぜなら、極端にリッチな富裕層が存在するからだ。一人で30台の高級車を所有しているという話しも珍しくない。彼らは日本品質を好むという情報もあった。
ところが日本の様な徹底したカー・コーティング・サービスがセブには存在していない。これはビジネス・チャンスではないかと思った。
次にコスト面だが、有利な点は何と言っても人件費だ。日本に比べ大幅に安い人件費で雇用が可能な為、多くの雇用と彼らの教育が低リスクで出来る。よって早期に技術者を育てられる事に繋がり、多店舗展開も早期に見込める。
これらの理由から私はセブ島での事業展開を決断したのだ。 これらの理由をチャンスと捉えるか否かは経営者によるだろう。しかし私は、今まで人の御縁によって活かされ、生きて来た。
ビジネスチャンスも起業の大きな理由ではあるが、何より、「セブの人々に魅了された事」が一番の理由であり、きっかけだ。1号店は7月にも開店する。これからの挑戦を見ていて欲しい。
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【今回の執筆者紹介・飯村建樹】
1979年9月27日神奈川県生まれ。横浜商科大学高等学校卒。株式会社エイチビー 代表取締役 IYU Corp. CEO/President。 24歳の時に折り込み求人で見つけたカーコーティング会社に就職するも1年半で離職し、同じくカーコーティング事業を離職直後の25歳で無計画に開業。その後の2年間年商100万円という苦境をバネにして27歳で法人成りを果たし、現在は日本国内で年間数万台の受注実績を有する。 飽和した国内のカーディティーリング事業から脱する為に海外進出を果たす。カーコーティングが普及していないフィリピン・セブにて日本で培って来た技術や品質、接客やアフターサービスまでを応用したJapan quality membership car coating service事業を富裕層向けに展開する。2013年フィリピン国内にて法人設立。現在7月グランドオープンに向けて現在準備中。