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.経済  投稿日:2014/5/5

英語を第二公用語としながら日本から近く、労働賃金と物価が低く、欧米留学の約3分の1の料金で留学できるセブ島に注目![フィリピン・セブ島で活躍する日本人]


鈴木光貴(ユナイテッド・リグロース株式会社取締役CFO)

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「今、セブ島は熱狂している。」

リゾートアイランドとして有名なフィリピン・セブ島は、スキューバーダイビングを中心としたマリン・スポーツなどが盛んで、日本からも多くの観光客が訪れていたが、近年は観光客と違った顔を持つ、ふたつの来訪者が増えている。

ひとつは英語を学びに来る留学生、もうひとつはその英語を基点にビジネスを始める事業家たちである。

前者は、現在活況を浴びるフィリピン留学を体験しに訪れる留学生たちである。留学と言えば、一般的には大学生が在学中に、アメリカやイギリスなどに長期間で英語を学びにいくイメージがあるが、3、4年前ほどから俄に人気が出始めたのが、このフィリピン留学である。

英語を第二公用語とし、人口1億人弱の9割が英語を話せるフィリピン人から教わる英語。労働賃金や物価が低く、欧米留学の約3分の1の料金で留学できることや、東京から4時間半で行ける近さから、“安くて”、“近くて”、“英語の国”としてフィリピンは注目を浴びている。

そして、このフィリピン留学を提供する語学学校は、いくつかの島に点在するが、その多くは首都マニラではなく、セブ島に集積している。平日は、みっちりマンツーマン授業で英語の勉強をし、週末はビーチリゾートで青い海と白い砂を満喫する。そんなことができるのもフィリピン留学(セブ留学)の魅力のひとつだ。

後者である英語を基点としたビジネスを始める事業家たちだが、彼らが密かにセブ島の熱狂を加速させている。上記の語学学校やオンライン英会話は勿論その代表例ではあるが、フィリピン英語の活用は教育ビジネスに限ったことではない。BPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれる、業務の一部を特に英語を使用する部分を外注するビジネスも盛んであり、近年、コールセンター・ビジネスはインドを抜いて世界一位に躍り出た。

日系企業も英語人材を求め、多数セブ島に進出して来ている。最近では英語による問合せや営業メール部分をフィリピン人に外注するメールセンター・ビジネスなるものも生まれている。 また、英語を中心としたプログラミング言語を扱うソフトウェア開発事業もフィリピン人が活躍できる分野で、日本で高給取りの優秀なプログラマーと同じ技術力が、10分の1の賃金で雇用できるとして、現在、IT起業家達や企業がこぞってフィリピンに訪れ、優秀なフィリピン人プログラマーの争奪戦も始まっている。さらには、そんな優秀な英語人材を世界に輩出する人材紹介事業も注目を集めている。

ネイティブ・スピーカーと遜色のない英語を操るフィリピン人と共にビジネスをすることで、 また今日も新たなビジネスチャンスが生まれていると思うと、この熱狂はまだまだ収まりそうもない。

 

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【今回の執筆者紹介・鈴木光貴】

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1982年生まれ。立教大学経済学部卒。ユナイテッド・リグロース株式会社創業者兼取締役CFO。不動産会社に就職後、投資銀行に転職し、投資ファンドの運営や中小企業の経営支援や金融支援に従事。投資先数社の取締役・執行役員を歴任。2012年に2ヶ月間のフィリピン留学を経験後、呉宗樹、渡辺和喜の二人の仲間と共にセブ島にて起業。日本の中小企業、人材の海外進出支援を目的に、社会人経験者の為の語学学校“オトナ留学”『MBA』や海外起業家のためのインキュベーションオフィス『AJITO』の運営を行っている。

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