<90年代のテクノ・ブームが再燃?>ポイズン・ガールフレンドが20年ぶりのニューアルバム
Japan In-Depth編集部
90年代初頭は日本のクラブシーン、ダンスミュージックシーンが急激に盛り上がり、形成された時期だ。都内では渋谷・六本木を中心に無数のクラブやディスコがオープンし、毎夜のごとくイベントが開催されていた。30代以上の人であれば、あの時期・あの頃の雰囲気に懐かしさとワクワク感を思い起こす人も多いはず。
やがて、日本の景気の低迷とともに、クラブシーンも沈静化。近年の風営法による「クラブ規制」の強化もあって、この10年ほどは事実上、「日本のクラブ文化」は根絶状態にあったと言える。
しかし最近、90年代のクラブシーンを彷彿とさせるような音やイベントが急激に増え始めている。今となっては「クラシック」になっている「かつては最先端だった」90年代クラブミュージックの「名曲」たちや、そこから影響を受けたであろう楽曲を目にし、耳にする機会は確かに増えた。国会でのクラブ営業の規制緩和の検討も始まったことで、その傾向はますます拡大してゆくだろう。
もしかしたら、回復傾向にある景気に後押しされ、90年代の「若者たち」が「イイ大人」になった今、ようやく音楽や「夜遊び」に関心を向ける余裕が生まれつつあるのかもしれない。いずれにせよ、景気回復やクラブ規制の緩和と時を同じくして「大人」たちがクラブサウンドとそのシーンに帰ってきつつあるのだ。
そんな中、90年代に日本のテクノ・サウンド、クラブ・シーンに大きな影響を及ぼした「ポイズン・ガールフレンド(POiSON GiRL FRiEND)」が20年ぶりのニューアルバム『rondoElectro』を7月にリリースするというニュースはちょっとした「事件」かもしれない。
「ポイズン・ガールフレンド」は甘くけだるいフレンチ・ロリータなウィスパーボイスで多くの聴衆を魅了してきた「nOrikO」のソロプロジェクト。20年という時間を超えて復活する「あの時」の「あの音」に期待する音楽関係者は決して少なくないはずだ。
注目すべきは「ポイズン・ガールフレンド」がノスタルジックにニューアルバムを発表するわけではない、という点。リリースと同時にイベント「Club hyper-réarythme」のオーガナイズも開始し、リアルなクラブシーンでの活動も再開しているのだ。
90年代の大御所「ポイズン・ガールフレンド」のクラブシーンでの20年ぶりの本格再始動。この現象が日本の音楽シーンの中で意味することは決して小さくない。
[参考]<POiSON GiRL FRiENDの公式HP> http://www.psychopla.net
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