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.政治  投稿日:2014/9/16

[山田厚俊]【福島県知事選】


山田厚俊(ジャーナリスト)

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任期満了に伴う福島県知事選(10月9日告示、26日投開票)が1カ月余に迫った。最後は“後出しジャンケン”で出馬すると見られていた佐藤雄平知事が不出馬を明らかにしたため、自民党本部は県連が擁立を決めていた元日銀福島支店長の鉢村健氏(55)の推薦をせず、民主党が推薦を決めた内堀雅雄前副知事(50)に相乗りすることに決定した。

「みっともないけど仕方ない。負けるより、マシだ」

自民党関係者はこう渋面で語る。7月の滋賀県知事選では推薦候補が敗れ、9月7日の沖縄・名護市議選では定数27に対し、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対派が16人を占める結果となった。この福島知事選の後、11月には沖縄県知事選も行われる。「負けた」というレッテルを貼られて政権に影響を及ぼすことだけは避けたい党本部の、なにふり構わない必死さが伝わってくる。

しかし、なぜそんな“見苦しい”展開になったのか。地元政界関係者はこう明かす。

「自民党福島県連の内部分裂が原因です。現在、県連の議員は28人。県議会で最大会派を形成していますが、主流派と反主流派は15対13で真っ二つの状態。一枚岩になれないまま、鉢村氏を担ぎ出した。党本部はそんな状態を見過ごすわけにはいかなかったのです」

加えて、県連からすれば、佐藤知事への相乗りへのアレルギーもあった。というのも、佐藤知事は元民主党最高顧問の渡部恒三氏の甥で、元秘書だったことが大きいという。中選挙区時代、渡部恒三氏と骨肉の争いを演じてきた伊東正義元官房長官直系の議員がいるためだ。今もなお、支援者の中には“伊東派”“渡部派”で反目しているのだという。

そのような地方の事情が交錯する中、勝てない選挙に注力する必要はないと判断したのが、党本部なのだ。しかし、県民にとっては全く無関係の話。たとえ負けなくても、これを機会に自民党離れが加速するかもしれない。

 

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