［Japan In-depth編集部］【第43回ベストドレッサー賞授賞式】

.JID 　投稿日：2014/12/1

毎年恒例の、ベストドレッサー賞（主催メンズファション協会）の第43回目の授賞式が11月27日、都内のホテルで行なわれた。ファッションリーダーだけではなく、ライフスタイルや生き様がそのスタイルに表現されている人物にトロフィーが贈られる。

授賞者には、トヨタ自動車の取締役社長豊田章男氏や女優の宮沢りえさんをはじめ、7人が選出された。今回のイベントでは、多方面に渡る各社の協賛とともに、東日本大震災の復旧・復興への願いを込めたチャリティー支援も兼ねており、「ブルーローズキャンペーン」も実施。集まった募金の全額が寄付される。主催のメンズファッション協会は他にもベストファーザー賞やイエローリボン賞を開催するなど幅広く活動しており、ファッションを通じて、日本のライフスタイルを支え、国民に夢と勇気と元気と希望を与え続けていきたいと八木原保理事長は開会宣言を行った。

【トヨタ自動車・取締役社長豊田章男氏】

【女優の宮沢りえさん】

歴史のあるベストドレッサー賞だが、昨今政府の主導するクールジャパン政策の一貫として、ファッション、アパレル業界は、海外需要開拓が期待されている。世界各国に比べ、輸出の割合が低いなど、海外への発信強化が叫ばれているところでもある。そういった背景もあり、トロフィーは世界市場で闘っている方々に贈られた。

普段は作業着やレーシングスーツをも着こなす、日本のリーディングカンパニー・トヨタ自動車の豊田章男社長は、政治・経済部門を受賞。「自分がかっこよくなれば、会社のイメージも車のイメージも良くなる」がモットーの、豊田氏の今回のスーツのポイントは、着心地の良いメイドインジャパンだという点。彼がレクサスのチーフブランディングオフィサーになってから、選ぶスーツのデザインにも気を使い始めた、と豊田氏。すると、周囲からの見られ方、ものに対する見方も変わり、それが車のデザインにも活かされていったと語った。豊田氏にとって良い車の条件とは、1台ごとにそれぞれのドラマがあり、乗り手にとって良い車であること。良い車をつくり続けるために、世に車を出す最後の「フィルター」の役目を社長が担う。この精度を研ぎ澄まし、デザインにも活かしていくためにも、ファッションにもこだわっていきたいと話した。

また、世界を相手に闘う豊田氏とともに特別賞に選ばれたのは、今年100歳を迎えた、フォトジャーナリストの笹本恒子さん。着こなす衣装もアフリカ・マリ共和国の素材を使用した自分の作品で、なんと30分で完成したという。彼女の長寿の秘訣は、「肉」と「ワイン」。挑戦し続ける彼女の今後の目標は、「身体が続く限り、日の目を浴びることのない、埋もれた才能を持つ人々を取材して行くこと」と力強く語った。

そして、昨夏のアジア大会で世界を相手に団体で銀、ダブルスでは銅メダルを獲得した、卓球日本代表選手の福原愛さんはスポーツ部門を受賞。ワンピースが大好きだという彼女は、普段のユニフォーム姿とは打って変わり、シックな黒のドレスを身に纏って、大人っぽさをアピールした。今季は1月に疲労骨折もあり、半年間プレー出来ないなど、22年間の競技人生で一番辛いシーズンだったと語る。応援してくれる人に、良い報告とメダルを見せることが何よりの喜びだと言う福原さん。今後も彼女の活躍に期待したい。