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.政治,.社会  投稿日:2016/2/7

男性の育児休業を考えよう~衆議院議員宮崎謙介氏に聞く~


「細川珠生のモーニングトーク」2016年1月30日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(Aya)

男性国会議員として初めて育児休暇をとることを計画し、話題となった衆議院議員の宮崎謙介氏を迎え、その背景や周囲の反応について聞いた。

安倍政権は一億総活躍社会を掲げ、男性も育児に参加することで、女性も活躍する社会を目指している。一方で、少子化対策として、子供を産んで育てることも推進している。「二つを両立させるためには、男性が育児参加をしなければならないのは明らか。そのために効果があるのは育児休業の取得。」と宮崎氏は述べ、自らが育児休暇を取得しようとした背景を説明した。

しかし、検討していることを明かした段階で反発があった。「国会議員たるものは日本の未来を決めるもの。極端に言えば、明日戦争するか否かを議決する重たい責任を持っているのをわかっているのか。」という意見があったという。宮崎氏は、「育児休業していても、意思決定に参加する方法はある。大事な局面になれば、休業をとっている状況ではないので対応する。」と述べ、「国のことを思っているからこそ、少子化と女性の活躍のため、未来の子供たちのために空気を変えなければならないと思い、一石を投じた。」として、趣旨が伝わらなかったことを明らかにした。

反対された背景には、世代間の考え方の違いもあったのかという細川氏の問いに対し、「特に若手の議員で、同じく子供が生まれたばかりの人は応援の声をかけてくれる。先輩議員でも、娘さんの子供が生まれて大変なところを見ていて、(育児休暇が)必要だよな、と言ってくれる人もいる。」と述べ、一概には年齢による差とは言えないと説明した。

報道では、議員立法で男性国会議員の育児休業を制度化しようとしていると伝えられているが、実際は違うと宮崎氏。「衆議院規則では、産休は認められているが、育休が認められていない。男性議員が声を上げて、衆議院規則を変えようとしている。」と説明した。さらに、「街で商店をやっている人、個人事業主は制度から漏れている。そういったものも視野にいれて制度設計をしたい。国会議員に限定すれば、規則の変更を考えている。」と述べ、経営者も対象として視野に入れていることを示唆した。

細川氏もフリージャーナリストとして、保育園を利用しようとすると優先度が低くなることへの不満を漏らした。自営業者は、家族経営で育児を家族に任せることができる、あるいは職場と家が一緒になっていると見なされ、保育園の入園の点数が低い。「(保育園に入れないのであれば)別の手段が得られるような制度があればいい。」と細川氏は述べた。

国会議員が育休を取得することの反対する意見の中には、歳費の問題を理由にするものもある。宮崎氏は、育児休業を取得すると宣言した背景には、男性の育児休業について考えてほしいという想いがあったことを再度強調し、「自分の歳費をもらいながら、育児休業をとりたいという場合は、黙って欠席届を出せばいいだけの話。だから歳費の返納を考えた。」しかし、公職選挙法の中では、歳費を返納することは、寄付行為に当たり違反となる。法に触れないようにするためには、選挙区以外のところに寄付をしなければならない。宮崎氏は、「覚悟と決意の表れとして、手取りの全額を返納することを考えている。」と話した。

まだまだ制度化に向けての道のりは長い。最後に「国会議員皆さんで前向きに議論して、いい制度ができればいいなと期待している。」と細川氏はエールを送った。

(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2016年1月30日放送 を要約したものです)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php
細川珠生公式HP http://www.cheering.net/tamao/#
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トップ画像:©Japan In-depth 編集部 


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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