3月解散4月選挙説浮上? 宮崎議員辞職で
山田厚俊(ジャーナリスト)
「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
「まったくどうしようもない。前日、二階派の幹部はアイツに“離党”するよう迫った。アイツはその場で何の返事もせず、翌日の会見で辞職を発表した。党も官邸も望むわけがないじゃないか」
こう憤るのは、自民党関係者。改めていうまでもなく、「アイツ」とは、『週刊文春』のスクープで、妻・金子恵美衆院議員の出産直前に女性タレントと不倫していたことがあきらかになった宮崎謙介衆院議員のことだ。その宮崎氏は2月12日、記者会見で不倫を認め、議員辞職を発表した。
驚いたのは、自民党だ。このタイミングで議員辞職となれば、宮崎氏の選挙区、京都3区の補選は、4月24日投開票の北海道5区補選とのW選挙になるからだ。
「逆風に晒された選挙をわざわざ勧めるバカはいない。それなのに、自分で勝手に辞めますと言ったものだから、開いた口が塞がらないよ」
前出の関係者はこう投げやりに言う。
しかし、ここでにわかに浮上しているのが、3月解散4月選挙説だ。別の自民党関係者はこう語る。
「2月中に来年度予算を通し、3月上旬に衆院選挙制度改革法案を通す。最高裁判決が出た以上、1票の格差是正に取り組まなければ何もできないが、小手先だろうと法案を通せば解散の下地は整った格好になる。そこで、3月下旬に解散し、W補選の4月24日投票にする。争点は今まで言われていたとおり、消費税10%先送りだ」
これまで、4月解散説、6月の通常国会会期末解散による衆参W選挙説、11月解散説など、さまざまな憶測が流れていた。今回はどうなのか。
「野党が何の準備もできない中、宮崎氏のような件が起きても内閣支持率は落ちない。ならば、逆風と言われる現状を逆手に取って、一気に勝負に出ることも考えられる。もちろん、安倍首相の考え一つだが、可能性は高いのではないか」
ある自民党幹部はこう語る。このような説が流れるのも、やはり野党のふがいなさに起因しているということなのか。
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この記事を書いた人
山田厚俊ジャーナリスト
1961年、栃木県生れ。東京工芸大学短期大学部卒業後、建設業界紙、タウン紙の記者を経て95年4月、元大阪読売社会部長の黒田清氏が代表を務める「黒田ジャーナル」に入社。阪神・淡路大震災の取材に加わる。震災取材後、事務所から出向する形でテレビ制作に携わる。黒田氏死去後、大谷昭宏事務所に転籍。2002年から週刊誌で活動を始める。2009年2月、大谷昭宏事務所を退社。フリー活動を開始。週刊誌をはじめ、ビジネス誌、月刊誌で執筆活動中。