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.政治  投稿日:2020/11/28

「感染拡大の原因、GoToだけではない」自民党社会保障制度調査会長鴨下一郎衆議院議員


【まとめ】

細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年11月21日放送

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・感染拡大第三波は、GoToだけではなく、働き方にも原因がある。

・ガバナンス小委員会の趣旨は、長期的に国の危機管理を改める事。

・それぞれの生活の場でできる対策を全てすることが重要。

今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」は、衆議院議員で自民党社会保障制度調査会長の鴨下一郎氏を迎えた。

医師でもある鴨下氏に、政治ジャーナリストの細川珠生氏が、新型コロナウイルス対策について聞いた。

第三波とも言われる今回の感染拡大。細川氏は、「トラベル、イートを含めたGoToキャンペーンがきっかけになったと医師会の会長も発言している」として、政府の対策などについて鴨下氏の考えを聞いた。

鴨下氏は、第一波、第二波で国民の行動が制限されたため、経済を回すという意味で、GoToキャンペーンは「悪くなかった」と評価した。さらに、「(感染拡大の)一因であるかもしれないが、GoToだけが拡大の原因とは思っていない」とし、電車のラッシュや、日々残業している人々等を挙げ、「日常的な経済活動そのものが最終的には感染拡大につながっていると思う」と述べた。

次に、細川氏は、臨時国会について取り上げた。「第一波・第二波の時は、地方への様々な判断の権限などが課題になった。体制を変えたり、法整備を整えたりすることが、通常国会の時は課題のままで終わってしまった」と述べ、現在の臨時国会ではどのように話が進んでいるのか、聞いた。

鴨下氏は、コロナの感染拡大の中で発生した様々な問題を挙げたうえで、「安倍総理が退任されるときにコロナ対策に関して総括的なまとめをされたが、あれに沿ってスピードを上げて対処していけば、それぞれのことについて網羅していける」と述べた。

また、「今の国会では、省庁間の調整について取り上げられている。田村厚生労働大臣と西村大臣の調整等も、当初に比べるとかなりうまくいっている。また加藤官房長官も元厚生労働大臣だったので、状況はよく理解しており、この三人がしっかりと対応をできる体制が整ってきた」と述べ、現在の内閣の体制を評価した。

又鴨下氏は、今国会で審議されている予防接種法の改正について触れ、「万が一副反応が出た際に、メーカーに責任を負わせるのかが論点になっているが、その責任を国が負う方向で順調に審議されている」と述べた。

自民党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の中の、ガバナンス小委員会が10月6日に提言を出した。鴨下氏も大きく関わっている。体制整備に主眼を置いた、8項目の対応を求めるこの提言について細川氏は、「要点は、危機に対して充分な体制があるのかということだ。感染症を危機と見るというところの認識が不十分だった」と述べ、国としての認識不足の原因はどこにあるのか、聞いた。

鴨下氏は、感染症について、「かつて日本は、結核などに国策として対応してきたが、ここしばらくは医学の進歩で乗り越えてきたので、パンデミックは想定していなかった」との見解を示した。

この半年間で、役所、国・地方、医療機関もようやく動き始めたが、鴨下氏は、「ガバナンス委員会では、国家的な危機管理や、それに対してどういう人材が必要なのか、制度をどうするのか、対応を模索していく」と述べた。さらに、「これからコロナが終息した後も、次なることに対してやっていかないといけないというのがこれからの課題だ」との認識を示した。

最後に、細川氏が、感染拡大防止策について改めて考えを聞いた。

鴨下氏は、「今までやってきたことでは必ずしも充分でない」と述べうえで、「例えば、職場内で密になるということが解決し切れていない。リモートワークを徹底する、時差出勤にする等、働き方を見直すべきだ」と述べ、民間企業などの対応を求めた。

今、家庭内感染が多いといわれているが、鴨下氏は、「家庭内に持ち込んでしまうきっかけとして、ラッシュアワーや、対面でやっている仕事場である可能性がある」とし、「GoToのみならず、人と人との接触が起こるところに感染は起こるので、働く場の中でも改善しなければならない」と述べた。

細川氏は、「今一度気を引き締める、という意味で非常に大事な局面」と述べると共に、「発散の意味も含めて気の緩みも仕方がないが、感染拡大が再び始まっているのが分かった以上、気を引き締めて自衛手段で対策することが重要だ」と述べた。

それに対し、鴨下氏は同意し、「政府、職場、家庭、場合によっては夜の街も、それぞれ生活の場でできることは全てやる」ことが重要だとの考えを強調した。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年11月21日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©︎細川珠生事務所




この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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