[山田厚俊]【女性閣僚最多に男性議員怒り噴出】
山田厚俊(ジャーナリスト)
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9月3日に発表された内閣改造・党役員人事。まずは読者の皆さんにお詫び。官邸の撹乱情報にまんまと乗り、幹事長に小渕優子氏なるかも、なんて書いてしまった。周知の通り、サプライズ人事はこの幹事長だったものの、安倍晋三首相はかねてから谷垣禎一法相を決めていたのでした。自分の取材力の無さを恥じ入ります。
閣僚18人のうち、女性閣僚は過去最多の5人。大手マスコミは、比較的好意的に受け入れているが、私の取材によれば疑問が多い。というのも、自民党で女性国会議員は40人。このうち、「即戦力で図抜けて能力があるのは、小池百合子元防衛相と野田聖子前総務会長」(自民党ベテラン衆院議員)というのが大方の評価だからだ。
しかし、「元々、安倍首相は小池氏が嫌い。野田氏の能力は評価しているものの、集団的自衛権の憲法解釈容認に真っ向から異を唱えたことを根に持っている」(政治ジャーナリスト)ことから、あのようなメンバーになったのだという。
「たとえば、法相の松島みどり氏。かねてから指摘されている取り調べの全面可視化の議論はこれからだ。このような重要な時期に、彼女を据えたというとこは、法務省の言いなりで構わないという安倍官邸のサインに他ならない」(閣僚を歴任した長老議員の元秘書)
総務相に就任したのは、高市早苗前政調会長。第1次安倍内閣で入閣経験はあるものの、省庁再編で郵政、自治の2省と総務庁が合併した巨大省庁で、舵取りが難しいポストの一つ。
「重要閣僚の一角をよりによって何も高市氏に与えることもなかったのに」(前出・元秘書)との“嘆き節”も。
時間が経てば、ボロが出る。もしくは、首相の言いなり、官僚のメモ棒読みになるのは明らかだと指摘する声が多い。“入閣適齢期”なのに棒に振った男性議員たちの怒りが噴出する日もそう遠くなさそうだ。
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