[山田厚俊]【維新の党、分裂も時間の問題?】~進まぬ野党再編に苛立ち~
山田厚俊(ジャーナリスト)
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「所詮、水と油。また分裂しちゃうのも時間の問題かもね」
衆院42人、参院11人。日本維新の会と結いの党が合流し計53人の「維新の党」が9月21日、東京都内で旗揚げした。しかし、合流まえから両党の若手議員や秘書からこんな声が漏れ伝わっていた。
日本維新の会は、共同代表を務める橋下徹・大阪市長と、石原慎太郎氏が袂を分かち、石原氏側は新たに次世代の党を旗揚げ。現在、23人の勢力になっている。政治理念が大きく異なる江田憲司氏らとの合流話に嫌気がさした、“橋下チルドレン”の幼稚さにあきれたなど、要は、これまで張子の虎だった維新に見切りをつけた格好だ。
結い、維新側から見れば、異端の長老たちが出ていったのに、なぜ不協和音が未だに聞かれるのか。ある維新の秘書は語る。
「結局、江田さんは傲慢な一匹狼。無理難題を吹っ掛けてばかり。今後、党運営に支障をきたすことは、火を見るより明らか」
合流協議のなかで、些末なことの繰り返しで維新側は疲弊してしまったと内実を明かす。一方、結い側も言い分はある。党本部が東京と大阪の“双頭の竜”状態で、党運営がうまくいかない状態を解消したい、“単なる吸収合併”では納得いかないなど、合併まえに主張すべきところは主張するのは当然のことだった。
「こんな小っちゃなことで、ごちゃごちゃ言い合っていて疲れたよ。本来の目的は、野党再編。今後はみんなの党との合流だったり、民主党の分裂、一部との合流を見て動かなければいけない」
維新幹部の一人は、こう不満を口にする。2016年夏には参院選、衆院選もそのまえに実施されることが予想されるなか、野党再編はなかなか動かない。暗中模索の苛立ちが新党に蔓延している。
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