[山田厚俊]【安倍首相を襲う3Kとは?】~今後の政権運営に暗雲~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「長期政権なんて、とんでもない。いまや“3K”に苦しめられて、青色吐息だ」
ある自民党古参秘書はこう語る。もちろん、安倍晋三首相のことを指してのことだ。“安倍首相の3K”とは、「健康」「景気」「北朝鮮」のことだという。
「今年2月から歯医者に通っていることが明らかになり、再び、安倍首相の健康問題が注目されています。虫歯とかではなく、ステロイド使用の副作用ではないかと囁かれています」(ベテランジャーナリスト)
持病の潰瘍性大腸炎は難病指定を受けていて、完治していない。新薬「アサコール」の服用とともに、ステロイドも併用しているという。しかし、長期間過剰に摂取していると、副作用の問題も出てくると専門家は指摘する。
「その一つが歯茎の腫れ。また、顔のむくみも副作用の表れだと指摘する声も出ています」(前出・ジャーナリスト)今後、難題山積の現在の政治課題を乗り切るための健康管理は本当に大丈夫なのか、との指摘なのだ。
続く「景気」にも疑問を呈する声が多い。「9月8日、内閣府は4-6月期の国内総生産(GDP)を年率換算で7.1%減の下方修正した。消費増税とともに、円安による輸入コストの増大などが大きな要因。来年10月に消費税を10%にするための判断を今年12月にするとしているが、ゲリラ豪雨の今夏、各地で災害も発生し、景気が上向く状況にはない。これで増税導入の方針を決定したら景気はガタ落ちになる」(エコノミスト)
しかし一方では、海外投資家や欧米各国から見れば、消費税10%導入を先送りにすれば、財政再建に本気ではないと見られ、マーケットの信用を失うとの見方もある。いずれにしても、景気は低迷し、支持率も急降下するのではないかと見られているのだ。
そして、北朝鮮の拉致問題。一気に解決の道に向かうかと思いきや、なかなか進展せず、安倍首相や菅義偉官房長官は苦虫を噛み潰したような表情でいるという。拉致被害者全員の帰国は果たしてあるのか。北朝鮮側の再調査の結果はいつ報告されるのか。これら“3K問題”が複合的に安倍首相を襲っており、今後の舵取りは容易ならざるものと、永田町では見られている。
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