新党結成否定せず 長島昭久氏
「細川珠生のモーニングトーク」2017年4月22日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(大川聖)
【まとめ】
・長島昭久衆議院議員、民進党離党し、外交・安保の勉強会発足。
・次期衆院選は無所属で出馬の意向。
・将来的に新党の可能性について「否定しない」。
政治ジャーナリストの細川珠生氏が衆議院議員で、元防衛副大臣の長島昭久氏に話をきいた。長島氏は今月10日、所属していた民進党を離党した。そして日本維新の会の議員らと外交・安全保障の勉強会を発足させた。
細川氏が、今後、小選挙区制や国会活動において無所属でどのように自身の政治理念・政策を実現させていくのか、と問うと、長島氏は「民進党から独立するにあたり、次の選挙は無所属で戦って勝ち抜くという覚悟を決めたので、一人で行動した」と述べ、次期衆院選は無所属で出馬する意向を示した。
さらに「かねてから野党の側に現実的な外交安全保障の受け皿が全くない。特に2年前の安保法制の国会以来、現実的なオルタナティヴ(選択肢)が無くなった。」と述べた。
具体的に現在の朝鮮半島の情勢を例として挙げ、「民進党と共産党の政策があまり変わらなくなった。朝鮮半島で不測の事態が起きた場合、安保法制に基づき自衛隊が動き始めるが、前提となる安保法制を廃止だと叫んでいる野党はその時どうするのか。」と安保法制に反対の姿勢を示している民進党が不測の事態に現実的な対応策を取ることができないのではないか、との懸念を示した。
「かつて民主党が役割を担っていたように、野党も与党に劣らない経験・知識・ビジョンを出せると示したいとの思いが勉強会を立ち上げた主旨だ。」と述べ、外交・安全保障を重視し、それに対し野党側で現実的な考えを持つ人たちで発足した勉強会であると説明した。
加えて、「新たな仲間と新党設立は今は考えていない。」と述べると共に、「外交・安全保障政策について現実的なオルタナティヴの必要性を主張したところ、維新の会や、保守系の無所属の人たちなどからの賛同が得られ、民進党の保守系議員も含め政策提言する勉強会」を発足させた、と経緯を説明した。
細川氏は「安全保障で意見が一致している仲間であるならば将来的には新党という形を否定はしないのか」と質問したところ、長島氏は「もちろん否定はしない。これから民進党がどうなっていくのかも含めて色んな可能性がある。」とした上で、ポスト安倍が自民党の中で模索中であることも指摘し、「政界も流動化する可能性がある。」と述べ、将来の政界再編時における新党設立もありうるとの考えを示した。
また長島氏は「民進党はじめ野党が左に寄り過ぎている。安倍首相は右をとらえようとしている。真ん中の世論があいているといい続けてきた。」と述べ、長島氏が「中道穏健の真ん中があいているので、この部分を社会保障・外交安全保障・経済・教育政策で埋める政党が必要」との考えを示すと共に、「55年体制時のような万年野党、永久与党になりつつあるのでそれを壊したい。」と述べ、中道穏健の考え方に基づく新しい政党と与党の二大政党制の必要性を改めて強調した。
細川氏がこの夏の都議選に触れ、小池都知事との連携について聞いた。これに対し長島氏は、「都議選と国政は分けて考えている。小池知事はポスト安倍を狙っていると思う。東京大改革に邁進しているのはいい。都議選は小池さんを占う意味で試金石。」と小池知事のこれまでの政策運営を評価したが、具体的な小池知事との連携については明言を避けた。
また、長島氏の元秘書が都民ファーストの会から都議選に出ることについて、今後、同会の候補を応援する可能性もある、とした上で、今後の都民ファーストの動きを見ていきたいとの考えも明らかにし、将来的な同会との連携に含みを持たせた。
さらにポスト安倍も視野に入るかと質問した細川氏に対し長島氏は「独立してどういう行動をするか。政治家として原点に返り、選挙区割りも大きく変化した中、心機一転、目標に向かってしっかり地歩を固めていきたい。」と決意を述べるにとどまった。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年4月22日放送の要約です)
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。