新聞にソチ五輪のことは一行も載っていない国でも、世界で一番幸せなバヌアツ共和国
相川梨絵(フリーアナウンサー/バヌアツ共和国親善大使)
みなさん、「バヌアツ」と言う国を知っていますか?
南太平洋に位置する83の島々からなる国。フィジーとニューカレドニアの間に位置するといえば、イメージが湧くでしょうか? 民族はメラネシアン系に属し、その意味の「黒い人たちの住む島々」の通り、肌が黒く、背丈は私たちと同じくらいの人々が生活しています。
バンジージャンプ発祥の地としても有名。ペニスサック一丁の男性が、足にツタを巻いて、木で高く組んだやぐらから飛び降りると言う衝撃映像、見た事はないでしょうか? 他にも、息をのむほど神秘的な「ブルーホール」、南太平洋一美しいと言われる「シャンパンビーチ」、世界で一番火口に近づける「ヤスール火山」など、見所満載なのですが、日本で知名度が今ひとつなのが残念でなりません!
一方、政治は、国の象徴でもある大統領と実際に政治を司る首相がいます。議会は一院制で52議席。その他に村の酋長(チーフ)達からなる評議会があり、ちょいちょい口を挟みます。バヌアツは未だに村の結束が堅く、チーフが絶対的な力をもっています。
また、2006年、2007年には、世界で一番幸せな国に選ばれました。 国民の9割が自給自足の生活をしています。美しい自然に囲まれ、食べ物はすべて無農薬でオーガニック、自分たちの家を持ち、生きていくのにすべて満たされている。ここにいると、幸せの価値観が覆させられます。 人に会ったら知らない人でも挨拶をする。お客さんが来たら、無条件で歓迎する。猜疑心とかだまそうとか、そういったよこしまな心をまったく感じません。
しかし、ここ最近、観光客の増加や移民が増えて、急速に近代化していく中で、少しずつその良さが薄れているのも現状です。 そんなバヌアツで私・相川梨絵は生活しています。 日本では、新聞が廃れはじめていますが、バヌアツでは、ほとんどの人が「デイリーポスト」という新聞を読んでいます。ソチ五輪のことなんか一行も載っていないような南国らしい新聞です。
ここから毎月1ネタをピックアップして、コラムを書かせて頂きます。どうぞよろしく。
【註】 バヌアツは、2006年7月に環境NGO「地球の友」とシンクタンク「新経済財団」により「地球上で最も幸せな国」に選抜。地球幸福度指数(The Happy Planet Index)とは英国のンクタンク・新経済財団(New Economics Foundation)が発表しているもの|http://www.happyplanetindex.org/
【あわせて読みたい】
- 国保賢治の“島国イギリス!マンチェスターは人種のるつぼ”(1)(国保賢治・慶應義塾大学/イギリス留学中)
- 増田理紗の“ワシントンDC留学レポート〜アメリカの今を伝えます!”(1)(増田理紗・慶應義塾大学/アメリカ留学中)
- 【動画】滝川クリステル×安倍宏行・対談2014『今、何を考え、どう動くべきか。』第三回
- 「店内では大麻のみ摂取可能となっておりますのでタバコはご遠慮下さい。」日本の常識では考えられないオランダの大麻事情とは?(磯村かのん・ライター/通訳/起業家)
- 多民族国家でありながら団結心の強いザンビア共和国の『農業フェスティバル』(堀尾 藍・アフリカ研究者)