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.政治  投稿日:2018/5/21

「憲法改正案、与党協議せず」公明党 遠山清彦衆議院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2018年4月28日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(萩生田真衣)

 

【まとめ】

・野党が不信任案を出さずに国会を止めていることを批判。

・公明党は憲法改正案に対し、与党協議せず独立性を持って対応する。

・今の憲法を維持した上で、必要な条項を加えていくのが基本的なアプローチ。

 

森友問題が解決していない中、新たに発覚した福田淳一前事務次官のセクハラ疑惑により批判が集まっている財務省に対し、野党側はその責任を追及している。与党として、自民党と連立している公明党はどのように考えているのか。また憲法においてどのような立場なのか、公明党・遠山清彦衆議院議員をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

 

 野党の対応

 

まず細川氏は、連立を組んでいる与党として現下の国会運営についてどう対応しているのか、質問した。遠山氏は野党の要求を政府が答えないならば国会に出ず、国会審議を拒否するという状況が先週から続いているとして「(野党は)財務省トップの麻生大臣の辞任を要求している。与党の国対委員長は野党の要求を政府に伝えるしかない。安倍総理が『今の時点で辞めなくて良い』と判断している以上、麻生大臣は辞めないと思う。それを理由に立法府の審議に一切出てこないのは筋が違う。筋を通すなら、大臣の不信任案を衆議院で出す、あるいは参議院の場合は問責決議案を出して本会議にかければよい。」と述べ、野党の国会審議拒否の姿勢を批判した。

 

次に細川氏は、「加計・森友」の問題が一年以上続いているのは、政府与党の対応に落ち度があったからではないのか、と述べ、公明党の中にフラストレーションが溜まっているのでは、と尋ねた。これに対し、遠山氏は「正直溜まっている。」と述べると共に、「公明党も反省すべきところはあるが、長く追及を行っていると国民生活に影響が出てくるため、野党ももう少し責任を持って行動すべきだ」と述べた。

 

細川氏は、自民党から解散も選択肢になりうるとの発言があったがどう考えるか質した。遠山氏は「不信任案が出てきたら与党としては粛々と否決すれば良いだけの話で、いきなり解散総選挙というのは若干言い過ぎである」との見解を示した。

 

■ 憲法改正

 

細川氏は「憲法について自民党は党大会に合わせ4項目の合意を取るよう努力をしている。」と述べた上で、自民党の案について公明党はどう考えるか聞いた。

 

遠山氏は公明党の憲法調査会の事務局長として、自民党の憲法改正推進本部の幹部とも議論をしてきたとして「公明党はかなり独立性を持って対応する方針を決めている。」と述べた。

 

遠山氏はその理由を2点上げた。

 

1点目は、他の法律は議会で国会議員の投票で可決出来るが、憲法改正は「国会議員が決める権限が持ってない」唯一の法律で最後に国民投票で決めることになっている点。

 

2点目は、憲法改正案は他の法律案と違い、安倍総理を始め「内閣に提出権が無い」そのため国会だけが憲法改正案を発議して国民が決める点。

 

従って、公明党は与党であるが、憲法改正案については与党協議をしないと決めている、と遠山氏は説明した。

 

さらに、「70年以上前はインターネットも無く、北朝鮮が核兵器やミサイルを持っていた状況も無かった。プライバシーの問題や環境権の問題、LGBTまたはSOGI(ソジ)といった方々への課題などいろんな変化が起こっている。物事に照らし合わせて憲法は変える部分があれば積極的に議論しようということ」と遠山氏は公明党の立場を述べた。

 

細川氏が、憲法9条で「自衛隊の明記」について尋ねると遠山氏は、「公明党独自の考え方を持って国会の憲法審査会で話し合い、発議案を決めて本会議に上げる。独立性を持ってやりたい」と遠山氏は述べた。

 

さらに細川氏は、加憲という立場は、憲法の条文には一切手を付けずに加憲するのか、それとも修正や削除等を施しながら、加憲するのか尋ねた。これに対し遠山氏は「今の憲法を維持した上で必要な条項を加えていくというのが公明党の基本的なアプローチ。モデルになるのはアメリカ合衆国憲法だ。これまで20回ほど修正条項を付け足している。公明党はそれに近いやり方になると思う」と述べた。

 

最後に細川氏は、「北朝鮮・米朝の会談や日中韓の会談など5月に控えている中で国会が止まっていると、日本の対応が表明できずに問題だ。一方で政府側の落ち度や大臣の責任感の欠如といった問題もある。連立を組んでいる公明党の後押しが非常に重要だ。」と述べ、公明党の国会での動きに期待感を示した。

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年4月28日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

写真)遠山清彦衆議院議員

🄫Japan In-depth編集部

 


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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