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.経済  投稿日:2014/5/5

[安倍宏行]<首都直下?!と慌てる前に>生活用品の備蓄、してますか?改めて首都直下地震に備えよ


Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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本日(4月5日)、明け方の東京。いきなりグラッと来た地震に「首都直下か!」と肝を冷やした人も多かったろう。

この際、今一度、自宅の防災備蓄を見直してみることをお勧めする。かつて「もし首都直下地震が発生したら?」というテーマで東京都に取材した時、電気・ガス・下水道などのインフラが、1週間、下手したらそれ以上止まる可能性が高い、という話を聞いた。俗に、水の備蓄は3日分、などといわれているが、到底それでは足りないということだ。

1人に必要な水を2ℓとしても、4人家族、1週間分で 2ℓx4人x7日間=56ℓ、2ℓペットボトルで28本分が必要なのだ。 水や電気・ガスも重要だが、下水、つまりトイレもそれ以上に重要だ。汲み取り式ならOKだろうが、マンションの水洗トイレは風呂の水などでも流してはいけないことをご存じだろうか。

東日本大震災の時、マンション管理組合の理事長だった筆者は、マンション内の様々な設備を調べて驚いた。トイレから流れてくる排泄物や生活排水(台所のディスポーザーからの粉砕生ごみや、風呂・洗濯の排水等)は地下の汚水処理タンク内で撹拌されてから下水道管に流されるのだ。(注1)

つまり、電気が止まれば撹拌したり、排水を下水道管に排出するためのモーターが動かないから、住民が生活排水を流し続ければ地下の貯蔵タンクは溢れ出してしまう。したがって、簡易トイレが必要になってくるのだが、これを備蓄している家庭は少ないと思われる。便器にビニール袋を被せ、用を足したら凝固剤を投入し、後はしばって捨てるだけの簡単なものだが、震災後は必須アイテムとなろう。

東日本大震災の時、液状化が激しかった千葉県新浦安市では、下水道の復旧が遅れに遅れ、屋外仮設トイレを使用せざるを得ない状況が長期間続いたことを思い出してほしい。 トイレに一日5回行くとして、4人家族、1か月分で5回x4人x30日=600回も用を足すのである。

また食品の流通も大打撃を受ける。食品メーカーの工場の多くは関東北部に点在している。首都直下地震で首都圏に向かう幹線道路が寸断される可能性が高く、食品が極度に品薄になる可能性が高いという。備蓄食料も1週間分は必要だが、その中には火がなければ使えないものもある。アルファ米やレトルトなどを温める発熱剤(注2)なども備蓄しておくと便利であろう。又、レトルト食品と発熱剤をセットにした商品もある。(注3)

それ以外にも備蓄しておいたほうがいいグッズはたくさんある。いつ来るかわからない災害に普段から備えておくことがいかに大事か、今一度家庭でも話し合っておくことが必要だ。

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