[山田厚俊]<今秋に解散総選挙の噂>年末に消費税率10%への引き上げを決め、来春の統一地方選への弾みをつける?
山田厚俊(ジャーナリスト)
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6月20日に通常国会が閉会する前から、安倍晋三首相が今秋、解散総選挙をするというウワサが出始めた。
「大義名分がないじゃない。やれるわけがない」
「衆参のねじれが解消しているなか、選挙をするなんて意味がない」
野党陣営からは、失笑気味の声が漏れた。しかし、笑いごとではない。
大義名分に関しては、もう1年半前のことを忘れてしまっているのだろうか。民主党政権時、当時の野田佳彦首相は突如、選挙制度改革と税と社会保障の一体改革を担保に解散すると言い、その通りとなった。
解散は首相の専権事項であり、無茶苦茶と思えても首相がやろうと思えばやれてしまうのが解散なのだ。かつて、小泉純一郎首相は郵政解散を仕掛けたのも、ムリ筋の解散劇だった。
ねじれが解消しているなか、意味がないというのも的を外した意見だ。年末にはさらなる消費税率アップとなる10%への引き上げを決めなければいけない。来年春の統一地方選を前に、弾みをつけておきたいという狙いもあるというのだ。
さらに、永田町関係者はこう明かす。
「今年11月には沖縄知事選、福島県知事選が立て続けにある。今年、都知事選で自民党は舛添要一元厚労相を推薦して勝利したものの、昨年まで地方選は連戦連敗だった。仮に、地方の首長選挙で連敗するようだと、自民党のダメージは大きい。ならば、沖縄県知事選か福島県知事選に合わせたダブル選挙にして、一気に勝ちをもぎ取ろうとしているのではないか」(永田町関係者)
いまから解散のウワサが出てくること自体、政権サイドの観測気球とも受け取れなくもないが、あらゆる選択肢が考えられるなか、早くも選挙時期をどこに据えればベストなのかという神経戦が展開されていることは間違いない。
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