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.社会  投稿日:2015/4/2

【「考え・行動・出会い」が人生を拓く】~新・社会人へのメッセージ~


西田陽光(一般社会法人研究機構代表理事)

 

北の丸公園、靖国神社、千鳥が淵、皇居周辺、四谷から飯田橋の外堀土手、ため息が出るほどの見事な桜が咲き乱れ春爛漫。皇居界隈は江戸城跡のお堀の緑と土手の桜が水面に映る様は、得も言われぬ美しき季節。新年度を迎えた街角には小顔ですらりとした若者たちであふれている。

スーツ姿の新入社員思しき青年たちは、緊張感を漂わせ実に初々しい。この初々しい青年たちが日本の未来の担い手かと思うと「がんばれ!」と思わずつぶやきたくなる。人生を充実したものにしていくのは先天的能力以上に後天的な日々の習慣や工夫や創造性や寛容性や良き考え方を身につけることである。若いうちに気付き実践した人が成功者と言われる人々かもしれない。

アルフレッド・アドラー曰く、悲観主義者は「できない」と放置し、楽天主義者は「なんとかなるよ。できることからする」ジャック・ウエルチが解く「誠実さは事業を成功させる強固な基盤である」と。ピータードラッカーは「させてもらえない不満をいう代わりに、してよいことを次から次と行う」。

少子高齢化を危惧する安倍政権。2015年3月20日(2014年10月確定値、2015年3月概算値)厚生労働省の人口推計は、総人口は1億2691万人で、0~14歳人口は1623万人、15~64歳人口は7785万人、65歳以上人口は3300万人と公表。1899年統計を取り始めて以来出生率は最低。その上24万4000人の日本人が毎年自然消滅していく。

このままでは、2050年には8600万人近くに縮減。14歳以下の人口が居なくなり、65歳以上の老人率40%の究極の老人大国になるやもしれない。随分前から言われていた少子高齢化問題ではあったが、具体的対策がいささかスローペースでなんら効果の出ないままになってきたが、ようやく安倍政権で真剣に取り組もうという気概を見せた。

2014年6月3日政府が閣議決定した「こども若者白書」で、海外と比べた日本の若者の姿が浮き上がった。「自分自身に満足している。」と回答した人の割合は、日本が最下位で、45,8%他国は70%を超えている。「将来に明るい希望を持っている。」という人の割合も、日本の61,6%が最低で、他国は全て80%以上である。(6/4朝日新聞)そして大学専門学校生約87万人のうち仕事に定着できるのが約40万人ほど。2人に1人の若者が中退やフリーター・ニート化、就職しても3年内に離職という割合が年々増えているという。(一般社団法人アスバシ教育基金HP)

「日本の未来は・・!」という暗い見出しが大好きな大人たちの日本社会では、どれだけダメで、どれだけ最悪かという批判材料を並べ立てることにエネルギーを使うことが多い。人は環境から多大な影響を受けて育つものである。批判と事件とバラエティーとメロドラマと広告に溢れた情報は、スポンサーで成り立つ新聞・雑誌・TVなど様々な媒体から湯水のごとく発信されて、このような情報に取り囲まれつづけると、希望や自信よりも、不安感と消費欲望感情と他者からの承認欲求が高く育っても致し方無い。選べる選択はしたいものである。

未来づくりの若者へ、御自身の人生を拓くのは御自身の考え方と行動と出会いから得た縁(チャンス)の中で、どんな課題に対しても誠実に結果を出すまで慌てず、飽きずに、諦めず、取り組むことでしか結果は出ない。やり方を学ぶには肩書やポジションでなく、具体的な取り組みで成果を出した方から学び自分自身で実践してみる。

若いということは時間と柔軟性が与えられている。気付いた人から、できることから、自身で取り組んで見ることでしか現実は変わらない。どんな目標を持ち日々どんな行動規範のもとで時間を重ねるかが、未来づくり。暑さの夏をへて実を実らせ葉を落とした秋を経て厳しい寒さの冬をへて春を迎えて芽が吹き花が咲く。


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