「政治の重心、地方へ移せ」山本有二衆議院議員
「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月1日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(大野友佳子)
【まとめ】
・政治の重心を地方に移し、日本の課題を解決すべき。
・総裁選で国民のために謙虚で合理性のある議論を交わすことが重要。
・金融政策だけでなく、財政政策と成長戦略を推し進めるべき。
9月は自民党総裁選が行われる。9月7日に告示、9月20日に投開票という日程が決定。安倍現総裁と石破茂氏の出馬で一騎打ちになる。今回は、自民党の山本有二衆議院議員をゲストに招き、総裁選のあり方について政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。
石破氏が会長を務める水月会の一員として山本氏は石破氏を応援する立場にいる。山本氏が石破氏に期待することは、政治の重心を地方に移すことだと述べた。地方に対する思い切った予算の配分や、地方において大事な政権選択のときに、過疎、中山間地域、離島を大切にしているという納得感がほしいと述べた。「東京が便利なことはわかるが、これでは新しい日本の時代を築くのは難しい」として、地方創生の為の政策を進めることが重要だとの考えを示した。
さらに山本氏は地方の現状に対して、アベノミクスで数字だけは踊っているが、地方の景気は回復してないと指摘した。特に中小企業の給与は上がっていないと述べた。これに対し細川氏は、「総裁選でこうした政策論争が国民に向けて行われるべきだが、安倍総裁側はこの議論を避けている。」と述べ、安倍陣営の戦略に疑問を呈した。
続けて山本氏は、告示から投開票の間に5日間海外へ渡る安倍総理に対して、「政治日程に都合があることは理解できるが、せめてその期間は外すべき。代理出席の検討はしたのか。」「国民目線で議論を徹底的にやるべきだがそうなっていない」と述べ、総裁選に臨む安倍氏の姿勢を批判した。
細川氏は、徹底して考えをぶつけ合い、意見を言うのは当たり前であるとした上で、自民党はこの先どうあるべきかを問うた。これに対して山本氏は、「自民党の政権において、謙虚であり合理性のある議論が重要だ。」と述べ、日本の政治が発展する可能性はまだまだあると期待を寄せた。
また、過去に安倍総理が石破氏を幹事長に起用したことを例に、チームワークの重要性を説いた。「立場は違うもののお互いを尊重し合う関係こそが、国民の自民党に対する不安感をなくす。」とし、考えを述べた。
さらに山本氏は、経済の根本的な議論があるとして、日銀の量的緩和を挙げた。10~20年前と比べ、マネタリーベースが増えたことで金利は上がっている。今までは金利が下がると資金需要があり、物価は上がることが普通であったが、現時点で物価は上がらず金利を下げても需要は増えていない。「日本は賃金が上がらず、需要創造ができていない。日本は金融政策だけに任せている。経済に関して深く議論すべきである。」と述べ、財政政策や成長戦略など、アベノミクスの残りの2本の矢について議論すべきとの考えを強調した。細川氏も、現実を直視し先を見越して新しい経済政策に取り組むべきだと述べた。
最後に山本氏は、選挙を通じて国民が納得する政治を実現することに、自民党総裁選の意味があるとして、「これが戦後民主主義だ」と石破陣営の一員として総裁選への意気込みを見せた。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月1日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。