「次の3年、新しい時代への準備期間」平井卓也衆議院議員
「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月8日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(井上沙希)
【まとめ】
・平井氏は衆議院議員として安倍現総裁を支持するとし、広報部長としてはニュートラルな立場。
・次の3年は新しい時代への準備期間。
・潜在成長率、生産性を上げ、今までのやり方変えねばならない。
自民党総裁選が9月7日告示され、安倍晋三現総裁と石破茂元幹事長の一騎打ちになった。ゲストに自民党広報本部長の平井卓也衆議院議員を迎えて政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を伺った。
細川氏は平井氏が安倍総裁を支持していることを踏まえ、首相が安倍現総裁でなければならない理由を尋ねた。
平井氏は、「衆議院議員平井卓也として安倍氏を支持する。自民党広報部長としてはニュートラルな立場だ。」と述べた。また、広報本部長として、「自民党総裁戦立候補者の政策を分かりやすく伝えることと、自由民主党の政策を国民に知らせることが自身の仕事だ。」と述べた。
今回の総裁選のテーマは「日本を守る責任。時代を拓く覚悟」である。平井氏は、「日本は元号が変わるだけではない。新しい時代に突入するのは間違いない。」とし、「今までのやり方が通用しなくなる。新しい時代をどう切り拓いていくのかが重要だ。」と述べ、そのような考え方を持っているのは安倍総裁しかいないとの考えを示した。
平井氏は今の安全保障や外交、経済政策、そして少子化や高齢化など人口減少の中で、成長戦略を前に進めていくために何を行えばいいのかということを安倍氏と日頃から議論をし、安倍氏の考えに納得した上で安倍氏を応援していると述べた。
細川氏は、「アベノミクスの金融政策によって、為替や株価などの面では効果が出ているものの、実際に国民一人一人の皮膚感覚として(景気回復の実感は)不十分だと思う。」と述べ、アベノミクスに限界が来ているとの認識を示した。また、(安倍氏が)具体的に何をやるのか、あまり聞こえてこない。」と述べ、安倍氏の今後の経済政策が見えない、との認識を示した。
平井氏は、「潜在成長率、生産性を上げ、今までのやり方を変えなければならない。」とした上で、「行政機関もさることながら民間部門もサービス産業を含め、生産性が極めて低いことが潜在成長率が上がらない理由だ。」と述べて、生産性を上げることが最優先であるとの考えを示した。
政府は、企業や個人の行政手続きを原則として電子申請に統一する「デジタルファースト法案」を今年の秋の臨時国会に提出する予定だ。平井氏は、「行政の効率化のみならず、民間部門も今までのやり方を変えた上で、全てを原則デジタルに変えていくことは、次の時代への準備として非常に重要な決断だ。」と述べ、同法案の成立に強い意欲を示した。
また、「今までの行政のやり方、民間の手続きや仕事のやり方、消費者へのコンタクトの取り方が次の時代に向けて変わる場面になっていく。」と述べた。
安倍氏が自民党総裁を務めて6年が経つ。細川氏は「政権発足時は民主党政権からの政権交代ということで、多くの国民が支持をし期待したと思うが、6年が経ち、国民の期待と自民党が少しずれてきている。自民党が国民からの支持を取り戻すためには、今後どのようなことが必要か。」と聞いた。
平井氏は「安倍総裁になって国政選挙は全て勝っている。しかし、それが積極的な支持なのか、そうでないのかが非常に重要だ。」と述べた。その上で、「最初は安倍総裁に大きな期待を持っていた国民が、今の段階では他にないから支持しようということだと思う。我々はそこにあぐらをかかないで、不都合な現実に向き合わなくてはいけない。」と述べ、自民党として謙虚な姿勢が必要だとの考えを示した。
さらに、「社会保障制度はこのままでは維持できるはずがない。そのために思い切った行政の効率化とお金の使い方を変えるということをやらざるを得ない。そのための準備期間がこの3年だと思う。」とし、安倍総裁が3選されたら、社会保障改革が最重要課題となる、との考えを示した。その上で、「全て国民の皆さんが大歓迎するような政策ではないかもしれないが、そこを説明していくのが安倍氏の責任だ。」と述べた。
続いて細川氏が「自民党総裁は3期までだが、今後の党運営について安倍総裁は何をすべきか。」と聞いた。これに対し平井氏は、「全ての政策に関して自民党内での議論は衰えていない。しかし議論がオープンになっていなかったり、政策が収斂するプロセスが見えていない点が、“官邸主導”と言われる原因だ。」と述べた。そして「国民に(党内の)議論を見せることは、一歩間違えると党が割れている印象を与えかねない。しかし、石破氏と安倍氏が(総裁選で)喧々囂々議論しても、そのあと一つにまとまるのが自民党だ。」と述べ、党内の議論を国民によりオープンにしていくことが重要だとの考えを示した。
細川氏は総裁選を通じ、「総裁が総理大臣になるわけだから、自民党に直接関係のない人も総裁選には大いに関心がある。」と述べると平井氏は「街頭演説などもインターネット放送で見てもらえるように、様々な形で広報をしていきたい。」と意気込みを示した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月8日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。