「子供の未来重視する政策を」国民民主党玉木雄一郎代表
「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月15日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(北村優佳)
【まとめ】
・日本の喫緊の問題は、人口減少と少子化である。
・少子化を食い止めるには、経済的支援が必要である。
・戦争させない改憲のためには、明文で縛る必要がある。
9月4日に国民民主党代表となった玉木雄一郎氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。
まず細川氏が日本の喫緊の課題について聞くと、玉木氏は「人口減少と少子化である」と指摘し、同時期に行われている自民党総裁選と国民民主党代表選挙を比較して、前者は明日、明後日までの話が多いが、後者は日本が40年以上解消することができなかった人口減少の解決に目を向けていると述べた。
さらに、玉木氏は「地方創生」について、「人口が減っているだけで、地方の元気はある。」と述べ、人口減少、少子化の問題を解決することが、地方経済の活性化につながるとの考えを示した。そう考える根拠として、先進国の中でアメリカの活力が比較的あるのは人口が増えていることを挙げた。
続いて、細川氏が日本経済を成長させるために必要なことは何か問うと、玉木氏は現在の日本について、「AIやSociety 5.0などがあるが、人を大切にしていない国のあり方が最も問題である。」と述べ、次の時代に合わせた人づくりが行われていないと、日本の現状を危惧した。
人口問題研究所の調査結果によると、第三子以降の出産を諦めた夫婦の7割は経済的理由をあげていると玉木氏は指摘し、「行政は経済的に困っている人をサポートすべきである。」と述べ、少子化を食い止めるには、所得の低い層に対する経済的サポートが欠かせないとの考えを示した。実際にフランスは第三子以降に対して重点的にサポートすることで、出生率2.0を回復したのだ。玉木氏は、第三子以降を出産した家庭に、1000万円を給付する「コドモノミクス」という対策を提案している。
次に、細川氏はアベノミクスによる超低金利策が限界に来ており、さらなる経済対策が必要だとの考えを示すと、玉木氏はアベノミクスで「株価は上がったが、消費は増えていない。」と述べ、高齢者に偏っているお金を若年層に移し、消費に繋げることが大事であり、特に子供達に優先的に投資していくことが重要であるという考えを強調した。
そして、細川氏が「重要テーマとして憲法が出てくると思うが、野党は一致できるのか」と聞くと、玉木氏は「全部一致は難しいと思うが、現在の安倍首相の改憲案に大反対である。」と述べ、特に9条の「自衛隊」を明記するだけである改憲案に反対の意を示した。
また、玉木氏は「議論すべきは自衛権の範囲である。武力を行使することは相当な覚悟が必要であり、その覚悟を国民全員が共有するプロセスが憲法改正である。」と述べた。細川氏が「(自衛隊を明記するだけで、国民の生活は何も変わらないという)改憲であれば、改憲する必要はないのではないか。」と聞くと、玉木氏は「何も変わらない改憲案と現状維持のどちらかを選ぶのは国民にとって、究極の選択である。」と述べ、安倍政権の改憲案に難色を示すと共に野党はまとまるべきであるとした。
また、玉木氏は「憲法を全く触らないことによって、無限の解釈ができるということを安倍政権に見せつけられた。」と述べ、立憲主義の原点に帰って、憲法の縛り方を書いた方が良いという考えを示した。
具体的な改憲案として野党が一緒になり、安倍政権の改憲案の欺瞞を暴くようなことも必要であると玉木氏は述べ、「野党の側にも高度な戦略が求められる。それは国民民主党が中心となってやることができる。」と意気込みを示した。さらに、「戦争させない改憲に踏み込むような議論をしていきたい。」と述べ、明文で縛るしかないのではないかという考えを最後に強調した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年9月15日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。