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.政治  投稿日:2020/1/26

「衆院選、争点は経済政策転換に」玉木雄一郎国民民主党代表


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年1月25日放送

Japan In-depth 編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・合流に向けた協議は政策のすり合わせを中心に継続する。

・国民への大義を明らかにした上で、新党を結成すべき。

・野党として提示したいのは、新しい価値観と社会観。

 

今回はゲストに国民民主党代表の玉木雄一郎氏を招いた。国民民主党は立憲民主党との今国会での合流を見送り、協議の継続を発表したが、合流見送りの理由や20日に開会した通常国会での方針について政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

 

■ 立憲民主党との合流見送り

まず細川氏は、立憲民主党との合流を見送り、協議継続という結論に至った理由を尋ねた。玉木氏は「1月20日から通常国会が始まったので、『まずは国会に専念しよう』というのが両党が今回一つの区切りをつけた一番大きな理由」だと語った。

両党が協議を始めた経緯については、「(野党の協力体制を)進化させる一形態として党も一つにしたら良いのではないかという枝野代表の提案がきっかけだ」と述べた。協議では国会議員だけでなく地方の議員からも幅広く意見を取り入れ、「地方の意見も聞いたら慎重な意見が多かった」と明かした。

細川氏は、政策の一致が見られないままの合流は避けるべきだというのは玉木氏と枝野氏双方の意見なのか尋ねた。玉木氏はこれは双方の意見だと認めた上で、「これまで積み上げてきた共同会派としての信頼や実績が後退することはない」と強調した。

両党の合流については「党を一つにすることはそう簡単ではない。逆にそれを乗り越えてもやる時には、国民にとっての大義をちゃんと示さないと(いけない)。永田町の数合わせになってはいけない」と述べた。

細川氏はかつての自民党と与党時代の民主党を比較し、かつての自民党が部会などで議論を徹底して行ったのに対し、民主党は党内で議論が不十分だったために、党の決定に従わない議員が続出したのではないかと述べた。

これについて玉木氏は「もともと自民党も政党が合流してできた政党なので、最初は色々な意思決定がガタガタしていたが、だんだん色々なルールや仕組みが出来上がってきた」と指摘した。その上で、2009年に政権を獲得した民主党として「自民党に学ぶところは学ぶ」と語り、意思決定のシステムの確立や決定した党の方針には遵守するという議員の「作法」の改善に意欲を示した。

細川氏は、立憲民主党との協議で合意に至らなかった政策は何か、聞いた。玉木氏は両党の政策は「かなりのところ似ている」と前置きをした上で、「政策について折り合わなかったというよりも、政策のことについてまで議論ができていないというのが現時点での状況」だとして「丁寧に時間をかけて納得できる形で合意することが大事」だと述べた。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

 

■ 今国会の方針

続いて細川氏は安倍総理の施政方針演説について「真新しいことは何もない」と厳しい評価を下た上で、玉木氏に、今国会に臨む指針を尋ねた。玉木氏は「桜を見る会」を巡る問題や、IR(統合型リゾート)の選定基準に関する基本方針策定の問題など、個別事案への追求は当然行うとしながらも、それ以上に「安倍政権のあとの、自民党には示せない価値観や社会観を示していくこと」が重要だと述べた。

具体的には日本の少子化の対策として「結婚できない、あるいは結婚したいけどできない」という現状について対応したいと、選択的夫婦別姓の提案を行った経緯を説明した。また結婚できない背景として経済的な不安が挙げられることから、経済政策の根本的改革が必要だと述べ、「大企業、大都会を元気にしたら何とかなる」という20年以上進められてきた政策には限界があると批判した。その上で「『家計をいかに豊かにあたためていくか』に経済政策の重点を置かなければならない」と主張した。そのため「次の衆議院選挙は経済政策を大きく転換していくということを訴えたい」とした上で、今まで政治が本腰で取り扱わなかった「子ども、若者、女性、環境」などのテーマに特化したいという立場を示した。

さらに玉木氏は「今までの『男性中心、会社中心、経済優先、大人目線』の社会が限界にきているなら、全部ひっくり返したら良い。それくらい大胆に資源配分のやり方を変えないと、日本は衰退する一方だ。野党として示すべきなのは大きな社会像と政策の方向性の転換」との考えを述べた上で、これらを野党の共通政策として国民に示したいと語った。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年1月25日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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