「日露首脳会談 大きな前進」鈴木宗男新党大地代表
「細川珠生のモーニングトーク」2018年1月26日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(佐藤瑞季)
【まとめ】
・択捉島・国後島は露のものとして認めざるを得ない。
・多くの国民は北方領土を巡る歴史的背景を正確に理解していない。
・平和条約の締結のため、G20前に、再度トップ会談を行うべき。
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昨年のプーチン首相の発言から平和条約締結に向けた動きが加速している。1月22日には安倍首相とプーチン大統領が会談を行った。今回は新党大地代表の鈴木宗男氏をゲストに迎え、日露首脳会談について政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。
細川氏が会談の全体的な感想を聞いたところ、鈴木氏は「非常に前向きな会談。前進があったと受け止めている。昨年11月14日の日露首脳会談の時点では、プーチン大統領は1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結に向けて(北方領土問題を)解決していくことに対して、『合意』という言葉を使っていたが、今回は『約束』という言葉を用いていた。これは大きな前進。」と述べた。
次に細川氏は「歯舞諸島・色丹島は日本に引き渡される一方で、択捉島・国後島はどうなるのか。」と質問した。これに対し、鈴木氏は「ロシアのものとして認めめざるを得ない。そもそも、1951年のサンフランシスコ平和条約で吉田首相は、択捉島・国後島を放棄している。翌年2月の国会でも西村外務相が『その通りでございます』と答弁していたが、1954年は外務委員会で森下國雄外務政務次官が『放棄はしていませぬ』とした。外務省のごまかしの答弁だ。現在の外務省の領土問題に関するHPではこのことを含め、戦後の北方領土をめぐる動きに関してきちんと記されていない。4島一括返還が政府の方針というのは誤り。2島引き渡しの正しさをこれまでの経緯を含めてきちんと国民に説明する必要がある。」と話した。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
続いて細川氏は今後日本がとるべき対応を尋ねたところ、鈴木氏は「安倍首相はG20前にプーチン首相と再度会談を行い、落とし所を探るべき。」と述べた。
また、平和条約の締結の背景にはロシアが日本の経済力を必要としていることがあるという一部メディア・専門家の指摘に関しては、「ロシアは全く(必要と)していない。ロシアは経済援助をする側の先進国。」とした上で、「日本のいう経済協力とは日本がもつ世界一の応用技術を生かすということ。日本が今一番足りていないのはエネルギー。アメリカへの依存度が高く、現状では遠く中東から輸入している。パワーバランスを考えてもロシアのサハリンから持ってくるのがベストだ。ロシアであれば信頼に足る国。平和条約の締結が世界の発展に寄与するだろう。」と答えた。
そして最後に、「歴史の事実を正確に受け止めることが重要。戦後の新しい秩序、国際社会の中で北方4島はソ連のものとなった。本当はそのままでも良いが、56年宣言に日本もロシアも批准しており、それを法的拘束力として話し合いで解決しようということになっている。未来志向の安倍首相とプーチン氏の姿勢はノーベル平和賞にも値するくらいだ。」と話した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年1月26日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。