朝鮮半島情勢ー金正恩の真の狙いとはー
.政治  投稿日:2019/5/24

「5Gは地方創生の起爆剤」佐藤ゆかり総務副大臣


安倍宏行、Japan In-depth編集部(高橋十詠)

編集長が聞く!」

 

【まとめ】

・5Gは地方創生の起爆剤になる。ローカル5Gが決め手。

・働き方、コミュニティの在り方が変化、業界再編も。

・5Gによる大革命を起こすには、省庁連携が鍵となる。

 

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来年春の5G(第5世代移動通信システム)の商用サービス開始を控え、産業界を中心に期待が高まっている。5Gは超高速、超低遅延、同時多数接続という優れた特性があり、自動車の自動運転などに活用されることが見込まれている。5Gが我々の生活にどのような影響を与えるのか。自由民主党衆議院議員で総務副大臣の佐藤ゆかり氏に話を聞いた。

 

■ 東京一極集中脱却の基幹技術

5Gは我々が今使っている4Gの携帯と比べて、スピードが100倍、容量の伝送の規模も16倍くらいになると言われている。佐藤氏はこれが画期的な、東京一極集中脱却の基幹技術になると言う。「5Gは産業利用が爆発的に拡大する。工場のIoT機器同士の接続や、大量のビックデータを5Gで伝送し、AIで分析する、といった利用が期待出来る。」と述べ、結果として「地方にいながら、東京にいるのと同じような産業活動ができる時代になる。」と述べた。

それに対し安倍氏は「地方は都市部と中山間地域との格差が深刻だ。5Gは地方に何をもたらすのか。」と聞いた。

佐藤氏は「5Gは地方創生の起爆剤になる。特にローカル5Gが決め手になる」と述べた。ローカル5Gとは、地域のニーズに基づき比較的小規模な通信環境を構築するもの。5Gは飛距離が短く直進性があるため、建物や山などの遮蔽物があると回り込めない。要するに、きめ細かくアンテナを立てないと5Gが網羅できない。佐藤氏は、ローカル5Gの活用事例として以下を挙げた。

・あるエリアの工場のIoT利用のためだけに5Gを割り当て。

・畜産農家の鳥獣被害対策(センサーをつけて5Gで離れた場所から監視をする)

・JA、農協が地域で農薬散布担い手不足の時代に、ドローンを使っての農薬散布。

つまり、人がいない場所でもIoT同士のコミュニケーションの利用さえあれば、5Gが活用できるようになる。

「新たな産業が生まれ、人が入ってくれば、画期的な離島対策や地方創生策になってくる。」と佐藤氏はローカル5Gに期待感を示した。

 

■ 産業革命に似た現象が起きる可能性も。

次に安倍氏は、地方のベンチャーなどにとっても新たなビジネスチャンスになる可能性があると述べた。これに対し佐藤氏は「遠隔医療や自動走行など、これまで出来なかったことが、5Gを使う企業が軸になり社会実装として現実になる。そうすると他省庁を巻き込んで、規制や仕組みを変えていかなければいけなくなる。結果として、モノ作りとサービスが合体する新たな産業や、マルチなサービスを取り込んだ産業というものが出てくる。」と述べ、5Gは、これまでの定義とは全く違う業界再編につながる起爆剤になるだろうと予測した。

また佐藤氏は「ものづくりとサービスの融合、あるいは物と物とのコミュニケーションが生まれる。業界の定義が変わってくると思う。」と述べた。

▲写真 @Japan In-depth編集部

 

■ 5Gにより長時間労働から抜け出せる

国内消費が力強さを欠く中、国内需要の活性化が重要だと佐藤氏は主張する。佐藤氏は、「5GによってIoTやAIが、人手不足を解消してくれる。働き方改革導入と共に長時間労働から脱却し、労働者一人一人が余暇の時間をしっかりと持つことができる。結果として消費活動が活性化する。」と述べた。

次に安倍氏は中高年のうつが60万人超と言われる中、「表に出られない人たちにとって、5Gでテレワークしやすくなることは福音だ。」と述べると、佐藤氏は、日本の潜在成長率を押さえているのは少子化問題であり、人口が増加しない中での解決策の1つは、就労率を上げることだと述べた。その上で、

「①女性や高齢者で元気な方、②何らかの理由で社会参加されていない方、③心身障害を持っていながらも何らかの形で社会参加したい方。こういう方々の就業率が上がるだけでもかなり違ってくる。総務省はテレワークにも力を入れているが、5Gが展開できれば、どこにいても仕事ができる。ある調査のデータだが、介護の必要性から離職を考えた人(介護離職)は、就業者の2割に上るが、5G導入で人間関係も変わってくる。」と5Gがもたらすポジティブな変化を強調した。

 

■ 省庁の連携の重要性

自由な働き方で柔軟に成果を出すと言うことであれば、交通渋滞やラッシュ解消のためにも、社会に存在する様々なボトルネックをよりスムーズにしていく必要があると佐藤氏は述べた。

▲写真 ©Japan In-depth編集部

「総務省は通信とか電波などの基本的技術の所管をしている。実際の運用になれば、例えば農業だったら農林水産省、物流や自動走行は国交省、工場のIoTは経産省など、いろいろ関わってくる。5Gをきっかけに、新しい社会への移行と、成長率を上げていく大革命を、政府をあげて起こさなければいけない。」と述べた。

たとえば自動車に関して、「今の自動車等は、電気系統をみる整備士の数が問題になってくる。これまでの整備とは仕事の質や資格が違ってくるので、自動車だからといって国交省だけのことではなくなってくる。電気メーカー等との密な連携、合体した形での規制のあり方と言うものを考えていかなければならない。」

「様々なところで新たな観点が生まれてくる。早急にいろんなものを整備しなければならない。」と省庁の連携を図っていくことを強調し締めくくった。

5Gによる新たな産業革命を確実なものにする為には、官と民のスムーズな連携が必要なのは言うまでもないだろう。

(このインタビューは編集長安倍宏行が2019年5月8日に実施したものです。)

トップ画像 @Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年12月2日 東京都生まれ(60才)1979年慶応義塾大学経済学部卒業、日産自動車入社(海外輸出・事業企画)、1985年国際大学大学院国際関係学科修士課程卒、1992年フジテレビ入社報道局政経部記者、1998年ニューヨーク支局長、2002年ニュースジャパンキャスター、2003年経済部長、2006年解説委員、2009年BSフジ「プライムニュース」解説キャスター、2013年フジテレビ退社、危機管理コンサルティング会社設立。ウェブメディアJapan in-depth編集長就任。

安倍宏行

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