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.政治  投稿日:2020/5/14

「PCRセンター開設必要」冨岡勉衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年5月2日放送

Japan In-depth編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・1度感染のピークが収まっても、第2波発生の恐れがある。

・保健所の業務からPCR検査を切り離し、一括で検査を行うPCRセンター開設が必要。

・経済活動の再開は地方毎ほんから行うべき。

 

今回はゲストに衆議院議員で、自民党政調副会長、新型コロナウイルス対策医療系議員団本部長の冨岡勉氏を招いた。医学博士の資格を持ち、政治家になる前は医師として長年活躍してきた冨岡氏に感染拡大防止のための取り組み経済活動の再開への見通しについて、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

細川氏は新型コロナウイルス対策医療系議員団の本部を設置した経緯などを聞いた。

冨岡氏は、新型コロナウイルスの感染拡大の兆しが見えた3月に医療系の議員を中心に開いた勉強会がきっかけだと述べた。勉強会では、新型コロナウイルスに感染した患者の臨床経験がある医師を招き、新型コロナウイルスへの知識を深めた。その後、官邸からの打診があり、医療の職業経験を持つ議員を中心とした党の常設の本部立ち上げに至ったと明かした。

 

■ 感染拡大を防ぐための取り組み

日本での感染者の累積者数は日に日に増加しているが、1日当たりの新規感染者数は4月11日(719名)をピークに減少している。また、欧米諸国のように罰則規定のある外出制限ではなく、外出自粛要請に留まっている状況の中で、今後の感染者数はどのように推移するのか、細川氏は冨岡氏の予測を聞いた。

冨岡氏は1日当たりの新規感染者数が減少しているとはいえ、1日に100人から200人の新規感染者が発生している状況は決して楽観できないと述べた。また、1度感染のピークを迎えても、再び感染者が増加し、2度目のピークを迎える可能性は十分あるとして「国民が心を一つに対処すべき」という考えを明かした。

細川氏は、感染拡大の影響で保健所に電話がつながらない、病院のベッド数がひっ迫しているという状況が生まれているとして、今後どのような体制を取るべきか聞いた。

冨岡氏は、保健所がオーバーワーク状態になっている状況を改善しなければならないと述べ、主な提言として以下の2点を挙げた。

・保健所の業務からPCR検査を切り離す

・感染の可能性がある患者の検査を一括で行うPCRセンターの開設

冨岡氏によれば、感染の可能性のある患者に対してPCR検査が行える外来は東京に既に10カ所ほど設けられているが、「これを早急に全国に広めていく必要がある」と述べた。

冨岡氏は感染が疑われる患者を集約することで、症状の重さに応じた「送別分類」が可能になると指摘した。軽症者は指定のホテル、人工呼吸装置が必要な重症患者は大学病院にそれぞれ分類して搬送することで、患者が適切な治療を受けられるようになる。

 

■ 経済活動の再開に向けて

次に細川氏はアメリカなどで、経済活動再開の指針として注目されている抗体検査の実用化のめどについて聞いた。

冨岡氏は、今のところ日本で抗体を持つ人の割合は分かっていないと明かしつつ、WHOが警鐘を鳴らしたように「抗体があるからといって2度と感染しないという保障はない」ことに留意すべきだとした。

では外出自主要請の解除や経済活動の再開に向けて、医学的にはどのような条件が必要なのか

冨岡氏は「感染者や発生率、死亡者数などの推移を見ながら決めていかざるを得ない」と述べた。また、中国や韓国、欧米諸国など感染拡大の状況が先行する国がいくつかあることから、「(こうした他国が)どのような指標で経済活動に舵を切ったか注意深く調べていく必要がある」と指摘した。

さらに、感染者数が三大都市圏で多く、地方では比較的少ない傾向があることから、地方の経済ブロックから経済活動を再開すべきだという考えを明らかにした。具体的には、東京で新規の感染者がまだ発生していても、九州、四国、北海道など島単位での移動の自由を認め、経済活動を徐々に再開させるという形だ。

細川氏は、「医療系の知識を持った方々の活動は非常に重要だと思う。積極的な提言をされることを期待している」と締めくくった。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年5月2日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:©️富岡勉事務所


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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