陸自、MV-22搭載用ATV評価中
清谷信一(軍事ジャーナリスト)
【まとめ】
・陸自は川崎重工が納品したATVを評価中。
・調達は6両で、契約額は7,743万6千円。
・ベースの車体は道路運送車両法に適合した国内向けモデル。
陸上自衛隊は川崎重工が本年3月に納品したATV(All Terrain Vehicle:汎地形対応車輌)を評価中である。
納入されたのは民生品のMULE PRO-FXT(EPS)をベースにしたもので、陸自に新たに導入されたMV-22オスプレイ用搭載車輌の試験用として調達、現在試験中である。
調達は6両で、契約額は7,743万6千円(契約単価1,220万6千円)。現在水陸機動団において運用検証中である。爾後、検証結果を踏まえ、水陸機動団を念頭に整備予定となっている。
MULE PRO-FXT(EPS)は重量990kg、全長3,450mm、全幅1,617mm、全高1,970mm。出力35kw、水冷4ストローク直列3気筒のガソリンエンジンを搭載、燃料タンク容量30㍑、最大速度は時速72km、最小旋回半径4.8m、乗員4名、最大ペイロードは354kg(乗員4名時)、最大牽引質量907kg。
▲写真 汎地形対応車輌
ベースの車体は道路運送車両法に適合した国内向けモデルを採用、民間型のとの違いは航空機搭載用の固縛フック、外装部品OD色の塗装、桜マーク等となっている。
同シリーズのMULE PRO-FX(EPS)は、大手消防車メーカー株式会社モリタから高い機動性や悪路における走破性などが評価され、同社の新型消防車「小型オフロード消防車 Red Ladybug」のベース車として採用されている。
▲写真 「DESI JAPAN」で展示された「MULE PRO-FXT(EPS)」
トップ写真:汎地形対応車輌
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この記事を書いた人
清谷信一防衛ジャーナリスト
防衛ジャーナリスト、作家。1962年生。東海大学工学部卒。軍事関係の専門誌を中心に、総合誌や経済誌、新聞、テレビなどにも寄稿、出演、コメントを行う。08年まで英防衛専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー(Jane’s Defence Weekly) 日本特派員。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関「Kanwa Information Center 」上級顧問。執筆記事はコチラ。
・日本ペンクラブ会員
・東京防衛航空宇宙時評 発行人(Tokyo Defence & Aerospace Review)http://www.tokyo-dar.com/
・European Securty Defence 日本特派員
<著作>
●国防の死角(PHP)
●専守防衛 日本を支配する幻想(祥伝社新書)
●防衛破綻「ガラパゴス化」する自衛隊装備(中公新書ラクレ)
●ル・オタク フランスおたく物語(講談社文庫)
●自衛隊、そして日本の非常識(河出書房新社)
●弱者のための喧嘩術(幻冬舎、アウトロー文庫)
●こんな自衛隊に誰がした!―戦えない「軍隊」を徹底解剖(廣済堂)
●不思議の国の自衛隊―誰がための自衛隊なのか!?(KKベストセラーズ)
●Le OTAKU―フランスおたく(KKベストセラーズ)
など、多数。
<共著>
●軍事を知らずして平和を語るな・石破 茂(KKベストセラーズ)
●すぐわかる国防学 ・林 信吾(角川書店)
●アメリカの落日―「戦争と正義」の正体・日下 公人(廣済堂)
●ポスト団塊世代の日本再建計画・林 信吾(中央公論)
●世界の戦闘機・攻撃機カタログ・日本兵器研究会(三修社)
●現代戦車のテクノロジー ・日本兵器研究会 (三修社)
●間違いだらけの自衛隊兵器カタログ・日本兵器研究会(三修社)
●達人のロンドン案内 ・林 信吾、宮原 克美、友成 純一(徳間書店)
●真・大東亜戦争(全17巻)・林信吾(KKベストセラーズ)
●熱砂の旭日旗―パレスチナ挺身作戦(全2巻)・林信吾(経済界)
その他多数。
<監訳>
●ボーイングvsエアバス―旅客機メーカーの栄光と挫折・マシュー・リーン(三修社)
●SASセキュリティ・ハンドブック・アンドルー ケイン、ネイル ハンソン(原書房)
●太平洋大戦争―開戦16年前に書かれた驚異の架空戦記・H.C. バイウォーター(コスミックインターナショナル)
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