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.政治  投稿日:2020/10/23

「温もりが必要な所に人が寄り添う社会を」規制改革担当相河野太郎衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年10月17日放送

Japan In-depth編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・既に多くの行政手続きでハンコ(押印)廃止の方針が決定。

・官僚の長時間労働見直し、自民党内でも改革進む。

・「人と人との繋がり」を守る社会の実現に取り組む。

今回の「細川珠生のモーニングトーク」では、衆議院議員規制改革担当大臣河野太郎氏をゲストに招いた。河野氏が現在進めている規制改革や、将来の首相候補として掲げる政策構想について、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた

■ ハンコ(押印)廃止について

細川氏はまず、国民の関心も高い不要なハンコ・押印の廃止について、現在の状況を聞いた。

河野氏は、まず民間から行政に対して行われる手続きのうち、年間1万件以上の手続きが行われる820種類の手続きに対して印鑑の必要性を見直すよう求めたところ、795種類の手続きに関しては既に廃止の方針が決定したと述べた。残りについても今後協議を進め、印鑑の必要性を検討するとしている。

法律に根拠はないものの、習慣で印鑑を使用していた行政手続きについては、永年勤続表彰の表彰状の角印を除いて全て廃止する方針だと説明した。

さらに省庁の出勤簿など、法律で印鑑の使用が義務付けられているものに関しては、今後法改正の可能性を検討していくと述べた。

細川氏は、縦割り110番を作ったが、「(国民に不便を強いているということについて)これまで政治の場であまり議論されてこなかったが、政治家としてどう思うか」と述べ、河野氏の意見を聞いた。

河野氏は「昔から『不便なものを便利にしていきたい』と思っていた」と述べ、「自民党や公明党内の議論でも不便なものや止めるべきものを挙げてもらい、できるものからどんどんやっていきたい」と行政改革全般に積極的に取り組む考えを示した。

細川氏は河野大臣のリーダシップのもと、規制改革が進められていると評価したうえで、「『やらなければ』と思わせる仕掛けはどのように作っていくのか」聞いた。

河野氏は「私が規制改革をすることで開かれた道の上を、後ろから平井卓也(デジタル改革担当)大臣がデジタル化で走ってくる」と述べ、規制改革まず行い、それをデジタル化で加速させる環境を整える考えを明らかにした。

また「総理があれだけ大きな旗を振っていると各省の大臣も『来たら受ける』という感じになっている」と、菅首相が規制改革に向けてリーダシップを発揮しており、これを受けて各大臣がそれぞれの省庁で改革を進めていることが、スピード感ある改革推進の要因だと説明した。

細川氏は河野氏に、規制改革を継続していくために何か政策を考えているか聞いた。

河野氏は、これまで3年の期限付きで設置されていた政府の「規制改革推進会議」を今後は常設とし、継続的に専門家からの問題提起を促す方針を明らかにした。

ⒸJapan In-depth編集部

■ 公務員の働き方改革

細川氏は、公務員の働き方を考えるにあたり、国会の慣習は見直すべきだと指摘し、まずどこから手を付けるべきか聞いた。

河野氏は「公務員の働き方(改革)はかなり急を要する」と述べた上で、主に

 ①長時間労働の見直し 

 ②「国を背負う仕事を通して自分が成長している」というやりがいを取り戻す

の2点を進めるべきだと述べた。

河野氏はさらに、現在自民党内でも、下村博文政調会長と「働き方改革」を進めていると述べた。これまで自民党は、部会を午前8時に自民党本部で行うことを慣習としており、多くの職員が朝早くから資料作りなどの準備に追われていたという。河野氏は「自民党で急速にペーパーレス化やオンラインでの説明が受け入れられることになりそうだ」と述べ、実現すれば職員の負担を大幅に軽減することで「霞が関の働き方改革にも繋がる」との見方を示した。

さらに今月7日、人事院総裁が首相に人事院勧告を手渡す際「働き方改革も進めなければならない」と発言したことも踏まえ、積極的に公務員の働き方改革に取り組むとした。

■ 「将来の首相候補」として

細川氏は、河野氏が総理大臣を目指すのであれば国民に明確な政策構想を打ち出さなければならないと述べ、現時点でどのような国造りの方針を掲げたいと考えているのか聞いた。

河野氏は「新しい内閣が発足したばかりなので、先のことを見るよりもまずは自分のやらなければいけないことをやっていくことが大事」だと述べた上で、「少子高齢化に歯止めがかからない中、東京や地方都市への一極集中が進み、人と人のつながりが薄くなってきている」と述べた。

また河野氏は「人と人との繋がり、温もりはいつまで経っても大事なものに変わりない」と述べ、「高齢化や人口減少という視点から見ると日本は世界の最先端を走っており、世界各国が日本の対応を注視している。デジタル化や新しい技術を活用することで、人がやらなくて良いところはAIやロボットに任せ、本当に温もりが必要とされている所にきちんと人が寄り添う社会を実現したい」と述べた。

細川氏は「規制改革は始まったばかりだが、1年はあっという間に来てしまうので、政権構想をまとめられることを期待する」と締めくくった。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年10月17日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

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