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.経済  投稿日:2024/6/8

みなとみらいに新ホテル「京急EXホテルみなとみらい横浜」24日開業 露天風呂も


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・みなとみらいに新ホテル「京急EXホテルみなとみらい横浜」が開業。

・地上130メートル、露天付き大浴場を備え、インバウンド需要も取り込む。

・同地区は今後もホテル建設ラッシュが続き、競争は激化する。

 

最近人気が高まっている神奈川県横浜市のみなとみらい地区。アクセスの良さや、様々な観光スポット、グルメやショッピング、クルーズ、花火大会などのイベントも多くの観光客を引きつけている。中華街が近いのも魅力だ。2023年9月にオープンしたKアリーナで人気アーティストのコンサートなどが行われ、さらに同地区の集客力がアップしている。

コロナ禍の収束もあり、インバウンドもみなとみらい地区を多く訪れるようになり、2023年には約200万人を記録した。

こうしたみなとみらい地区の発展を見据えて、ここのところホテルの開業が相次いでいる。

2019年には、インターコンチネンタル横浜Pier 8が、2020年には、ハイアット リージェンシー 横浜とザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜など、ラグジュアリーホテルが相次いでオープン。

一方、ビジネスホテルの開業もラッシュとなっている。2023年5月には「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」がオープンした。

そして今月24日にもう一つ新たなビジネスホテルがオープンする。宿泊特化型ビジネスホテル、「京急EXホテルみなとみらい横浜」だ。テーマは、「空に浮かぶ寛ぎの空間」。京浜急行電鉄株式会社の関連会社株式会社京急イーエックスインが運営する。京急EXホテルシリーズは全15館、客室数は2,386室。

ロケーションはみなとみらい線「新高島」駅真上にある大規模複合施設、「横浜シンフォステージ」の26階から30階という高層階に。JR・京急・東急・相鉄・みなとみらい線・市営地下鉄「横浜」駅からも徒歩8分で行ける。

▲写真 横浜シンフォステージ 出典:京急EXホテルみなとみらい横浜

■「京急EXホテルみなとみらい横浜

26階のフロントに着くと、横には自動チェックイン機が。最近のビジネスホテルのスタンダードだ。「プリンススマートイン」や「変なホテル」のように基本的に有人フロントすらないビジネスホテルも生まれている。ホテルの担当者は、「やはりホテル業界の人手不足の問題はあるが、自動化できるところはやりつつ、お客様へのサービスはやはり人がやることで工夫しながら対応していきたい」と語る。

▲写真 京急EXホテルみなとみらい横浜、フロント ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 自動チェックイン機 ⒸJapan In-depth編集部

ロビーは全体的に落ち着いたトーンで、カジュアル過ぎず、それでいてモダンな雰囲気を醸し出している。

▲写真 京急EXホテルみなとみらい横浜、ロビー ⒸJapan In-depth編集部

客室は、27階から30階、全150室(全室禁煙)。ダブル75室、ツイン62室、フォース(4人部屋)8室、ユニバーサル室2室となっている。

どの部屋も基本コンパクトだが、地上130メートルに位置するだけあり、眺望は抜群で、部屋は実際の面積より広く感じる。

ダブルは3タイプあり、17.85㎡から20.75㎡。ベッドサイズは1,600mmx2,030 mm。バスタブのないシャワールームのみの部屋もある。「泊まる」という最低限の機能に集約されている。

▲写真 京急EXホテルみなとみらい横浜 ダブルルーム 17.85㎡ ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 ダブルルームからの眺望 ベイクォーター側 ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 ダブルルームのシャワールーム ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 ダブルルームの洗面台 ⒸJapan In-depth編集部

ツインも3タイプ。20.95㎡~25.53㎡。ベッドは1,100mmx2,030mmのシングルベッドが2台となる。

▲写真 ツイン 25.53㎡ ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 ツインルームからの眺望(ダブルの反対側)ランドマーク側 ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 ツインルームのバスタブ ⒸJapan In-depth編集部

興味深いのは、4人が泊まれるフォースルーム。親子や仲良しの友達同士で泊まれるように、バンクベッド(2段ベッド)が備え付けられている。

24.94㎡〜26.14㎡で、ベッドサイズは上段が、1,600mmx2,030mmのダブルベッド。下段が、900mmx2,030mmのセミシングルベッド2台となる。s

▲写真 フォースルーム バンクベッド(2段ベッド)の下段。左の階段で上段へ ⒸJapan In-depth編集部

▲写真 フォースルーム バンクベッド(2段ベッド)の上段 ⒸJapan In-depth編集部

■ 大浴場と露天風呂

そして、ホテルの一番の売りは、26階にある露天風呂付き大浴場だろう。「京急EXホテル」ブランドでは初となる。天気のよい日は富士山を眺めることができるという。バスタブがない部屋に泊まっても、大浴場に来ればゆったりと湯船につかることができる。

大浴場があるビジネスホテルは年々増えており、サウナを備えていたり、中にはプールがあるところも出来はじめている。顧客満足度を高める工夫に終わりはないと感じる。

▲写真 露天風呂 ⒸJapan In-depth編集部

■ ダイニング

宿泊特化型ビジネスホテルを標榜するだけあって、メインダイニングは外部に委託。株式会社ラックバックグループが運営する創作和食のオールデイダイニング、「高ようじ」は26階にある。

▲写真 メインダイニング「高ようじ」店内 ⒸJapan In-depth編集部

テラス席からは横浜ベイブリッジが見え、東京湾の絶景を楽しむことが出来る。夜景はさぞかしきれいだろう。カップルには最適なシートだ。

▲写真 ダイニング「高ようじ」テラス席からの眺め ⒸJapan In-depth

■ 今後のMM地区ホテル事情

「京急EXホテルみなとみらい横浜」は、カテゴリーとしてはビジネスホテルの範疇に入るのだろうが、ちょっとビジネスホテルという名称はそぐわない感じがした。「ビジネスホテルの上位グレード」(ホテル関係者)と話していたが、なにかもう少し違う名称を考えた方がいいような気がする。

というのも、予想されるゲストはもはやビジネス客ではなく、インバウンドも含めたみなとみらいを楽しみに来る旅行客がメインになるのではないか、と思うからだ。

最近のインバウンドの旅行客は宿泊代はリーズナブルに抑え、その代わり滞在日数を多く取ったり、グルメやショッピングにより多くのお金を使ったりする傾向がある。そういう層には、「京急EXホテルみなとみらい横浜」のようなホテルはピタリとはまるだろう。

料金は、公式には、ツイン12,000円から、ダブル9,500円から、フォース24,400円から、となっているが、昨今の円安によるインバウンドの増加で、ホテルの宿泊料は高めに推移している。ハイシーズンや週末は高くなることを覚悟しなければならない。

▲写真 「京急EXホテルみなとみらい横浜」エントランス ⒸJapan In-depth編集部

今後みなとみらい地区ではホテルの新規開業が続く。東京もホテルは飽和状態となっており、横浜みなとみらいのホテルに期待が高まっている。今後、ビジネスホテルが付加価値を一層高め、ゲストが望むサービスを次々と開発するようになってくると、ラグジュアリーホテルも安閑とはしていられない。これからも新旧ホテル、入り乱れて激しい競争が繰り広げられるだろう。

(了)

トップ写真:大浴場(奥が露天風呂 ※宿泊者のみ利用可)ⒸJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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