[Japan In-depth編集部]【防災の日に考える~公助あっての自助・共助】
毎年この日がやってくる。9月1日は「防災の日」だ。東京都世田谷区民である筆者の下には新聞の折り込みに、東京都からと世田谷区からお知らせが届いた。
都の方は、「一人一人の取り組みがみんなの命を守ります」として、
・家庭での備蓄の勧め
・家具などの転倒防止対策
・家族での事前の話し合い
・防災訓練への参加」」
を呼びかけた。
特に、備蓄に関しては賞味期限切れを防ぐために「ローリングストック法」を推奨、日常生活で使う食材を多めに備蓄し、消費したら補充するよう提案している。ストックする食材としては、乾物、インスタント麺、水、パックごはん、缶詰、レトルト食品、調味料などがいいだろう。
そして忘れがちなのが、お湯を沸かしたり食べ物を温める為に欠かせない、簡易型コンロだ。カセットコンロがある家庭ならボンベを買い増しておこう。それ以外にも、アウトドア用に固形燃料を使用する小型コンロなどがあると便利だろう。
また、災害時に大問題なのがトイレだ。断水が長引くことが予想され、ビニール袋に凝固剤を入れ、燃えるゴミとして廃棄できる「簡易トイレ」の備蓄も忘れてはならない。
一方、区の方は、「わが家と地域の防災力を高めるために今できることを考えよう」と題し、「発災後72時間は地区の力で乗り切る」をスローガンに自助・共助の大切さを訴えている。
区の災害情報メールサービスやツイッター、防災アプリなどもあるようだが、筆者は初めて知った。また、65歳以上の人や障害のある方のいる世帯対象に、家具転倒防止器具の取り付け支援や、満65才以上のみの世帯向けに、耐震シェルターや耐震ベッドの設置助成があるようだが、これもあまり知られていない。民生委員などが対象世帯を戸別訪問するなどしない限り普及しなさそうだ。積極的な広報が必要だろう。
いずれにしても、自助・共助を強固なものにするために公助があるわけで、行政が行っている様々な支援策を知り、上手に利用することが防災力強化につながる。特にコミュニティーの力が弱い都市部マンションでは、管理組合などが音頭を取って住民の意識を防災に向ける努力が必要不可欠であろう。
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