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政治  投稿日:2014/12/3

[西田陽光]【若い有権者は投票に行こう】〜スコットランドの独立国民投票に至るプロセスが教えるもの〜

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西田陽光(一般社会法人研究機構代表理事)

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 安倍晋三首相が11月21日に衆議院を解散すると表明したことを受けて、朝日新聞社は19、20日に全国緊急世論調査(電話)を実施した。この時期に解散・総選挙をすることに「反対」は62%で、「賛成」の18%を大きく上回った。消費増税の延期について「国民に信を問う」という解散理由に「納得する」は25%で、「納得しない」の65%が上回ったが、11月28日正式に政府から「第47回衆院選は12月2日、公示され、14日の投票に向けて12日間の選挙戦に入る」ことが表明される。そして衆議院選の関連経費を賄うために2014年度一般会計の予備費から631億円を充てることを閣議決定した。巷では、この時期に「600億余の税金をかけて如何なものか」という声も上がっていた。どうも私の周辺のお兄さんやオジサンたちは、解散の意義に共感してない人が多い上、「今回の選挙に対しての盛り上がりが感じられない」という人も多いようです。私のところにやって来る若い女性たちからは「入れたい人がいなくて困ります」「誰に入れればいいのか候補者の言葉は信頼出来ないし・・」「最近本当に政治で世の中変るのか疑問に思い出しました」「社会経験の少ない国会議員って大丈夫ですか」「選挙の経験だけで議員は務まるのですか」等など率直なご意見が寄せられています。声高々に「この国の・・・」と政策論をぶちあげても国民感情と離れた行動や選択をし続ける政治家や候補者に対して道行く人々は、はたして政治にどんな期待や希望を抱いているのか。11月下旬、ポリシーサロンという政策勉強会で大芝健太郎氏からスコットランドの国民投票のお話を拝聴。彼は「民主主義」や「直接選挙」について、2012年からリトアニア、ドイツ、スイス、ブルガリア、そして2014年スコットランド(イギリス)へ取材に渡航し、9月18日に行われたスコットランドのイギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合大国)からの独立を問う住民投票を現場取材された臨場感溢れるレポートには興味深く聞きました。

スコットランドは、1707年よりイギリスの構成国の一つとなリました。しかし1997年の住民投票を受けて翌年に設立されたスコットランド議会では、独立を党是とするスコットランド国民党が議席を増やし、2011年には単独過半数を獲得。2012年には「独立」住民投票をイギリス首相にも認めさせて今回の住民投票が決まった。「独立」国民投票までの経緯をお聞きしながら、独立を主張する活動体が有権者へどのような働きかけや情報の共有を進めてきたのか実に興味深いところでありました。

社会が何かを変えようとする時には、必ずやこれまでのやり方が有益な人々と不益な人々がいます。初めは徐々にではあっても様々な機会を用いながら独立の意義を「場」を作り、「人」を通じできるだけ多くの有権者との情報共有を心がけ丁寧に時間とともに広がりを見せたスコットランド独立の活動は、選挙結果で独立が叶わぬことが単純に敗北ではなく、イギリスが譲歩してきたことなど確実に有権者の意見反映の社会への進捗が見られる。スコットランドの独立国民投票へ至るプロセスは、日本の若い有権者へのエールとなることを願いつつ、今回の選挙では、入れたい人がいなくても若い女性の友人たちへ選挙に行くことを薦めます。そして少なくとも屁理屈よりも、どんな人物なのかを選ぶときに、少なくともこれまでの人生で出会った問題に対してどのような考え方と行動で解決に挑戦された方なのかを見極めて選ぶ練習して下さい。また選挙の時こそ「国会議員のあり方」「現行選挙のあり方」「政治とカネのあり方」「民主主義について」等こんなテーマの議論に花を咲かせることも大切な有権者の成熟プロセスと考えます。

 

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