.国際  投稿日:2017/4/24

仏大統領選、マクロンvsルペンの決選投票へ

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Ulala(ライター・ブロガー)

フランス Ulala の視点」

【まとめ】

・仏大統領選の結果上位二者はマクロンとルペン

・SNSでの人気が必ずしも票に反映されず。

・EU離脱をかけた決戦投票は5月7日。

 

■マクロンvsルペンの一騎打ちへ

とうとうフランス大統領選、第一回目投票の結果が出た。

前代未聞の予想が全くつかない4強の候補者たちの接戦。主流派である社会党と共和党以外の候補者への支持率の高さ。現職のフランソワ・オランド大統領が4%という最低の支持率で2期目の立候補を断念すると言う、政治体制で初の出来事と言う異例続きの大統領選。

おまけに異例なことはそれだけではない。直前の20日にパリ・シャンゼリゼでのテロが起こり警察官が銃撃され死傷。そのためパリ市は当初の倍以上の400カ所に警察官や兵士を配置し、フランス全土で警察官5万人と兵士7000人が動員すると言う厳重体制で今回の選挙は行われたのだ。

数々の今まで経験したことのない状況の中ではあったが、23日に行われた選挙では、前回の2012年よりも投票率が増し、80%という高投票率の中、出た結果は下記の通り。

1位 23%  エマニュエル・マクロン
2位 23%  マリーヌ・ルペン
3位 19%  ジャンリュック・メランション
4位 7%  フランソワ・フィヨン
(23日 現地時間20時現在)

第1回目投票で有効投票総数の過半数の得票を得た場合は、そのまま大統領に選出されるが、1965年にこの制度が導入されてから一度も1回目の投票で決着したことはなく、今回も両者とも過半数を得てないため、上位2人の候補者の間で決選投票が行われる。

■正確だった今回の世論調査

今回首位を獲得したエマニュエル・マクロン前経済相(39)は、その若さや、既存の政党からの出馬ではないこともあり、経験値や支援者の構成などに対して疑問視されることもあったものの、過去大統領選に出馬経験もある現在ポー市長のフランソワ・バイル氏がマクロン氏に協力する旨の発表がされた後から、勢いよく支持率が伸びはじめた。

そんな流れの中で行われていたフランスの世論研究所(IFOP)をはじめとする多くの調査結果では、マクロン氏、ルペン氏が上位を獲得すると言う予測がすでにされていた。しかしいつもその予測が正確なわけではない。無作為に抽出した回答者に意見を聞く方法が主流の調査では、イギリスの国民投票、アメリカ大統領選時には、大きく予測をはずしたのだ。

しかし反対に、イギリスの国民投票、アメリカ大統領選で唯一結果を的中させたFILTERIS CANADAは今回は予測を外した。SNSなどに流れる人々の言葉を集め、そのビッグデータを元に予想する方式で、アメリカ大統領選後に注目を浴びたが、ルペン氏、フィヨン氏、メランション氏、マクロン氏という順位予測はまるで当てはまらなかったのだ。

確かにマクロン氏は地上では、雑誌などの表紙を何度も飾った多くの政界からの支持者を集めるなど目立っていたものの、ネットでの活動はルペン氏の方が大幅に躍進していたことは否めない。Twitterで常にルペン支持派のハッシュタグがTwitterのトレンド入りしていたり、YouTubeで活発に宣伝活動を行ったり、それは、ネットだけを見ていると多くの人がルペン氏を支持しているような印象さえ受けるものだった。

また、急進左派で左翼党のジャンリュック・メランション元共同党首(65)はホログラムを使用し2都市で同時演説を行ったり、YouTubeなどを使った宣伝が活発でネットでの話題には尽きず、中道右派候補で共和党のフランソワ・フィヨン元首相(63)は家族の公金横領のスキャンダルで盛んにSNSでも騒がれてきたこともあり、そういった意味でも話題に上ることは多かったのは間違いない。

ビッグデータの統計がどのようなアルゴリズムによって行われているかはわからないが、予想を大きく外した理由にはそういったことも影響したのではないだろうか?

また日本のメディアについても同じ事が言えるのではないかと考える。パリ・シャンゼリゼのテロ後、フランスのメディアではそこまでこのテロがルペン氏の有利に働くとは考えられてなかった中、日本ではルペン氏の票が伸びるという予想の報道が溢れ、ルペン氏について語られる割合が多いことが不思議に思えてしょうがなかった。日本のメディアもSNSの情報に大きく左右されていたのかもしれない。

しかし、残念ながら今回のフランス大統領選はネット上での優位度はそこまで反映されなかった。影響は地上戦の方が大きかったようだ。

■決戦投票の行方

決選投票となる2回目の投票は2017/5/7(日)となる。第2回投票の結果は投票の4日後、2017年5/11(木)に最終結果が公表され、新大統領の選出が宣言される。

通常の状態であれば、敗退した候補者に投票した有権者はそのまルペン氏以外の候補者に投票するため、2回目投票ではマクロン氏が当選確実ではないかと言われているが、世界が内向きを示している中ルペン氏に票が流れる可能性もないわけではないため、結果はやはりふたをあけてみなければわからない。

「結束した欧州を」と欧州の統合推進を訴えるマクロン氏に対し、EU離脱(フレグジット)を問う国民投票の実施を掲げるルペン氏。

ルペン氏が国民投票をするまでもなく、フランス大統領決戦の結果という形でフランスのEUに対する国民の意思を見ることができるだろう。

全ての2017年フランス大統領選の結果はこちらのサイトから確認できます。
http://elections.interieur.gouv.fr/presidentielle-2017/

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この記事を書いた人
Ulalaライター・ブロガー

日本では大手メーカーでエンジニアとして勤務後、フランスに渡り、パリでWEB関係でプログラマー、システム管理者として勤務。現在は二人の子育ての傍ら、ブログの運営、ライターとして活動中。ほとんど日本人がいない町で、フランス人社会にどっぷり入って生活している体験をふまえたフランスの生活、子育て、教育に関することを中心に書いてます。

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