[山田厚俊]<病気は作り出される>うつ病患者が1996年43万人から2008年104万人に激増
山田厚俊(ジャーナリスト)
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5月8日、衆院第1議員会館で、「いのちを守る~心の健康対策に関連して」という勉強会が開かれた。主催は「市民の人権擁護の会日本支部」(CCHR)という非営利の精神保健監視団体で、精神医療の危険性などを訴えている。出席者は約50人。今の日本に潜む問題に熱心に耳を傾けた。
今回のテーマは、「精神医療の改善、メンタルヘルス対策の見直し」というもの。CCHR世話役の米田倫康氏、全国自死遺族連絡会世話人の田中幸子氏、精神医療被害連絡会世話人の中川聡氏が報告を行った。
米田氏は、統合失調症薬「ゼプリオン」が販売されてわずか4カ月半の間に、17人もの死亡例が確認されたニュースを話題に取り上げた。世界で80カ国以上で販売されているのに、このような事例は日本だけで、「多剤処方」が原因だと指摘。
田中氏は、自死(自殺のこと)遺族の聞きとり調査による、自殺と精神科受診の関係を発表。それによると、2010年4月~13年2月までの自死者1001人のうち実に902人、90.1%が精神科に通っていたと言い、政府の自殺予防対策として「精神科に行くように」という指導は間違っていると訴えた。
中川氏は、うつ病患者は1996年43.3万人だったのに対し、2008年には104.1万人に増えていることに注目し、病気の定義が変わり、病気が“作り出されている”点について解説した。
気分が悪い、食欲がない、眠れないなど、何かあるとすぐ精神科で受診した方がいいと言われ、何らかの病名をつけられ、さまざまな薬を処方される。それが、問題だと彼らは一様に指摘する。
このような団体による勉強会は、議員会館内でよく見られる光景だ。関心の高い問題には、議員自ら出席する。しかし、この日会場に足を運んだのは城内実(自民)、中根康浩(民主)などわずか4人だけ。この問題への関心の低さが、今の政治に欠けているものだと強く感じた。
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