[山田厚俊]【年内か年明けか。永田町飛び交う解散説】~冬の総選挙避けたい安倍総理、可能性は低い?~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「全く考えていない」
安倍晋三首相は11月9日、衆院の解散・総選挙について、改めてこう語った。
しかし、閣僚や自民党内中堅・ベテラン議員の中からは解散説が飛び交い、消費税増税の判断によっては、年内もしくは年明け早々の解散が不可避とも受け取れる状況になっている。果たして、本当に解散はあるのか。自民党関係者はこう語る。
「解散権は首相の専権事項なので、可能性はもちろんある。しかし、消費税率の引き上げ時期を先送りしたとしても、可能性は低いのではないか」
その最大の理由は、安倍首相の健康問題に行き着くという。
「安倍首相は、巷間取り沙汰されているように、健康状態に不安がある。裏返せば、命を賭けて首相の重責を果たそうとし、その最大のミッションは集団安全保障の問題だ。それをやる前に、いたずらに解散はしないだろう」
しかも、これから解散すれば冬の総選挙となる。安倍家にとっては“思い返したくない記憶”があるという。
「1990年1月、海部俊樹首相が解散し、2月18日投開票の衆院選が行われた。病魔に襲われていた父・晋太郎氏は派閥の若手議員の応援で全国を駆け巡った。冬の街頭演説はどれだけ体を酷使するのか、安倍首相も母・洋子夫人もよく分かっている」(安倍家をよく知るジャーナリスト)
加えて、負けず嫌いの安倍首相の性格を考えても可能性は低いという。
「第1次安倍政権時に行われた07年の参院選で、過半数を下回る歴史的大敗を喫した。そのトラウマがあるため、1議席でも増やす見込みがなければ、リスクを冒しての戦いはしないだろう」(前出・ジャーナリスト)
しかし、政治は「一寸先は闇」の世界。果たして、安倍首相の“判断”はどうなるのだろうか。
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