[細川珠生]【邦人救護:自衛隊派遣の仕組み議論せよ】~情報収集能力の向上も必要~
「細川珠生のモーニングトーク」2015年2月7日放送
Japan In-depth 編集部(Aya)
ISILによる邦人人質事件。残念ながら湯川氏に続き、ジャーナリストの後藤氏も殺害されるという結果となってしまった。もはや日本も他人事ではない。これ以上の犠牲を出さないために、日本はどのように対処していけばよいのかを、衆議院議員の渡辺周氏とともに議論した。
冒頭、「自己責任と言ってはいけない雰囲気があるが、私はやはり自己責任だと思う。」と細川氏。それに対し渡辺氏は、「二人が行った動機と、行った後の政治的対応について分けて考えるべきだ。」と話し、「まず渡航しない」ことの重要性を説いた。
渡辺氏は、後藤氏のようなフリージャーナリストの使命感、さらに彼らがいることによって、大手メディアが自社の社員を派遣できないような危険なところで貴重な映像を撮り、真相を浮き彫りにするという構造を理解しているとした上で、「彼ら(ISIL)にとって、日本人を誘拐して脅迫することに味をしめて、西側の世界を揺さぶろうというきっかけになってしまう。」と危機感を示し、「下手すると憎悪の連鎖になり、後藤さんが最も望まなかったことになってしまうのではないか。」とも述べ、これから渡航を考える人たちをけん制した。
日本の情報収集体制について、細川氏が「たとえば防衛駐在官をNSCの下に置き、外務省に報告するだけではなく、別ルートで官邸に伝わるような組織体系にする必要があるのでは」と問いかけると、渡辺氏は同意し、さらに「情報収集にもっと予算を増やしていい。」と付け加えた。
外務省がアニメや和食などの文化を紹介することに予算を使っていることに対し、「それも大事だが、それは民間にやってもらったらいい。」と述べ、日本の最優先課題は他にあることを示唆した。
一方で、外国の軍事リスク管理会社や民間軍事会社などに日本人を出向させることを提案し、「(出向者が、そのような機関から)色々なもの共有してもらう、情報を引き出すところに予算を使った方がいい。」と提案した。細川氏も「来年度の予算案でもそのあたりを良く追及してほしい。」と述べた。
また、邦人救護に自衛隊を派遣するに際し、どのような仕組みが必要なのか、という問題について渡辺氏は、「何かあったときは邦人保護のために我々は自衛隊を派遣する可能性があるということに対してどう考えるかを、危険度の高い国としっかり話しておく必要がある。」と述べる共に、武器の使用基準を詰めておく必要性も指摘した。
「そうはいっても、軍隊は地位協定を結ばないとなかなか他国で活動できない。」と指摘し、「何かあった場合どうするかというシミュレーションをして、何ができて、何ができないかを早急に詰めなければいけない。」と述べた。
最後に渡辺氏は「ジャーナリストといえど危険地帯に行かない、武装地帯に行かない。」と繰り返し、慎重に行動することの大切さを国民に呼びかけた。また、各国の危険地域の情報に関し、日本は他国と比べて甘いということを指摘し、「(外務省が)危機管理サイトを立ち上げて、情報を共有すべき。」と仕組みづくりの重要さを訴えた。
早急に整備を進めなければならない問題である一方、そう簡単には進まない問題でもある。渡辺氏も委員会などで「建設的な議論ができるようにしたい。」と今後の意気込みを語り締めくくった。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」(2015年2月7日放送)の内容を要約して記事化したものです。)
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