民主党は政策論争に舵を切れ!~長島昭久衆議院議員に聞く~
「細川珠生のモーニングトーク」2016年2月6日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(Aya)
民主党の長島昭久衆議院議員を迎え、衆議院予算委員会について聞いた。予算委員会では、甘利氏の現金授受問題が野党によって厳しく追及された。長島氏は、「甘利問題は残念な事案。未だにこんなことをやっているのかと、若い人を中心に政治不信になりかねないゆゆしき事態。」と厳しく批判し、「国民の代表として、質疑の場を通じて真相を究明し、再発させないようにする努力が必要なので、ある程度は質していく。」と述べた。一方で、ある追求するにしても、予算の中心課題は別のところにあるとして、追及すべき三点を挙げた。
①アベノミクスで本当に日本の経済は再生するのか
②金融緩和を出口の見えないままやり続けて持続可能なのか
③TPPでは、攻めるところを取り、守るべきところを守っているのか
「党内からは評判が悪いが、予算委員会は予算審議を中心にやるべきではないのか。」と述べ、三日間で、上記三点を徹底的に追及する必要性を強調した。
甘利問題は自民党の問題だけの問題ではない。金と政治の問題という政治全体の問題として国民は問題視している。国会としてどう対応すべきか、と細川氏が質問すると、長島氏は、「何の目的で甘利問題を取り上げるかが重要。野党的な感覚からいくと、政権に打撃を与えるいいチャンスということもなくはないが、問題は、こういうことが二度と起こらないような法整備をすること。」と述べ、法整備に必要な真相の究明が重視されると述べた。
政倫審での審議も考えられるが、各党が承諾しないと政倫審は開かれない。これについて長島氏は、「与党側の賛成はほぼ得られないだろう。そうなれば予算委員会でやることとしては、新しい立法の提案をしていく。」と述べた。
予算委員会では、社会保障についても当然問題になってくる。増税等で負担を強いられるため、国民の関心も高い。長島氏は、「(民主党は)野田政権のもとで、社会保障と税の一体改革を決めた。国民に負担を求める前に、身を切る改革をするということで定数削減が出た。」と述べ、定数削減が重要との考えを示した。
その後の与党の動きについて、衆議院の定数是正を専門家に任せようとした際に、出された案を野党がそのまま受けなかったことを批判し、「そういうところもきちっと我々が斬りこめる。一体改革なので社会保障も持続可能性のあるものに(しなければならない)。増やすだけではなく、削るところは削る。」とし、民主党が作った案をぶつけていく姿勢を見せた。
また、軽減税率についても、「今年は衆参ダブル選挙になるかもしれない。(与党は)選挙が終わるまでは黙っておこうというのが見え見え。甘利問題よりもよっぽど重要。」と述べ、国民が本当に質してほしいと思っているところを、今後深く追求していく姿勢だ。細川氏も、「甘利問題だけに予算委員会を使ってはいけない。」と述べ、野党としての役割に強い期待感を示した。
(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2016年2月6日放送 を要約したものです)
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。